「ファンシーラットが最近なんだかいつもと違う……」「急に噛むようになったり、じっとしていたりするけど大丈夫?」 そんな不安を抱えている飼い主さんは少なくありません。
SNSや動画などで見るファンシーラットは、人懐っこくて活発で可愛らしい姿ばかりですが、実際にはとても繊細で、ストレスの影響を受けやすい動物です。
この記事では、「ファンシーラットのストレス行動」とはどのようなものか、どんな原因で起こり、どう対処していけばよいのかを詳しく解説します。
「なんとなく様子がおかしい」と感じているあなたのために、見逃してはいけない行動のサインと、今日からできる対策をまとめました。
✔ ストレスの原因は環境・飼い主との関係など多岐にわたる
✔ 放っておくと健康に悪影響が出ることも
✔ 行動の変化に気づき、早めの対応をすることが大切
この記事を読めば、あなたのラットとの暮らしがもっと安心で楽しいものになります。
ファンシーラットは非常に繊細で感情豊かな動物です。
飼育環境や人間との関わり方によっては、強いストレスを感じ、その影響が行動として現れます。
ファンシーラットのストレス行動とは?
・巣材を破壊・執拗にかじる
・同居ラットへの攻撃性の増加
・人間に対して急に噛む・逃げるようになる
・鳴き声や動きが普段と違う
・ケージ内で同じ場所をグルグル回る
毛づくろいが異常に多い
通常の毛づくろいはファンシーラットにとって重要な日常行動であり、健康状態や気分の良さを示すサインでもあります。
しかし、これが極端に頻繁になると、ストレスや不安の表れである可能性が高くなります。
例えば、何度も同じ箇所を執拗に舐めたり、他の個体を過剰に毛づくろいする場合などは注意が必要です。
さらに進行すると、自分の毛を抜いたり、皮膚が露出してしまう状態になることもあります。
ストレスの原因としては、環境の変化、新しい同居ラットの導入、騒音、運動不足などが考えられます。
巣材を破壊・執拗にかじる
ケージ内の巣材やおもちゃ、ケージの金網部分などを異常なまでにかじる行動も、ストレスを抱えているサインのひとつです。
これはファンシーラットが強い退屈や不安、刺激不足を感じている証拠であることが多く、飼育環境に何らかの不満がある可能性を示しています。
また、巣材の破壊行動が頻繁に見られる場合は、隠れ場所が足りない、ケージが狭い、温度や湿度が適切でないといった物理的な要因も影響していることがあります。
かじる対象がなくなると、指やしっぽをかじってしまうリスクもあるため、早めの対処が必要です。
同居ラットへの攻撃性の増加
普段は仲が良く、寄り添って寝たり毛づくろいし合っていたはずの同居ラットに対して、急に攻撃的になることがあります。
このような行動の背景には、環境の変化やストレスが大きく影響していると考えられます。
たとえば、引っ越しやケージの移動、新しい匂いや騒音などが刺激となり、ラットの精神的な負担が増した結果、近くにいる他のラットにそのイライラをぶつけてしまうのです。
また、ケージの広さが不十分であったり、遊びや刺激が不足していると、ラット同士でのトラブルが起こりやすくなります。
さらに、発情期の影響や個体差による性格の変化なども原因になり得ます。
定期的にラット同士の関係性を観察し、不穏な行動が見られたら早めに個別飼育を検討することも重要です。
※流血注意です
最初なら兄弟で同居してるファンシーラットが怪我をしてて、喧嘩の現場は見ていないのですがこれは別居させた方がいいのでしょうか😭?
今はじゃれ合いしたりいつも通りなのですが、別居の決めてはどこでしょう?💦💦#ファンシーラット #ラット pic.twitter.com/Tvh6UfUmTL
— @鼠と草の下僕 (@shizuuuuu69uuu) July 4, 2023
人間に対して急に噛む・逃げるようになる
ファンシーラットは基本的に人懐っこい性格で、飼い主の手に乗ったり、呼べば寄ってくるような愛らしい行動を見せることが多いです。
しかし、そうした性格のラットが突然噛むようになったり、抱っこを極端に嫌がって逃げるようになる場合は、何らかのストレスを感じているサインです。
原因としては、過度なスキンシップ、急な音や動きへの驚き、不快な抱き方などが考えられます。
また、体調が悪いときや、ケガをしている場合にも防衛本能から噛んでしまうことがあります。
信頼関係の再構築には時間がかかることもあるため、無理に接触するのではなく、声かけやおやつを通じて少しずつ距離を縮めるようにしましょう。

鳴き声や動きが普段と違う
普段とは違う高い声で鳴いたり、逆に鳴き声が減ってしまうなど、発声の変化はファンシーラットが何らかの不調を感じているサインです。
特に、警戒音のような甲高い鳴き声が頻繁に出る場合は、強いストレスや恐怖を感じている可能性があります。
また、動きに関しても、急に活発になってケージ内を走り回る、もしくはぐったりして動かなくなるなど、両極端な変化が見られることがあります。
こうした変化は、飼育環境の変化や体調不良、外的な刺激(騒音・匂い・光)などが原因となっていることが多く、放置すると精神的にも肉体的にも悪影響を及ぼすことがあります。
ラットの普段の様子をよく観察していると、こうした小さな変化に気づきやすくなります。
ケージ内で同じ場所をグルグル回る
ケージ内を同じルートで何度もグルグル回る「常同行動」は、ファンシーラットが極度のストレスを感じている証拠です。
これは刺激が不足している環境や、逃げ場のない空間で生活しているラットが、精神的な緊張を和らげようとする自己刺激的な行動です。
特にケージが狭すぎたり、おもちゃや隠れ家が少なかったりする場合に見られやすく、場合によってはラットの精神状態がかなり悪化しているサインでもあります。
また、この行動が慢性的になると、他の正常な行動が減少し、食欲や睡眠にも影響が出る可能性があります。
こうした行動を見つけた場合には、すぐにケージの広さやレイアウトの見直しを行い、環境の質を向上させることが求められます。
ファンシーラットのストレス行動を防ぐためにできること
・日中は静かで落ち着ける環境にする
・ストレスの少ない触れ合い方を心がける
・同居ラットとの相性や数を見直す
・運動不足を防ぐおもちゃや遊び場の工夫
・定期的な掃除と清潔な住環境の維持
・温度・湿度管理で快適さを保つ
・ファンシーラットのストレス行動 まとめ
適切なケージサイズとレイアウトを整える
ファンシーラットには十分な運動量を確保できる広さのケージが必要です。
最低でも幅45cm以上のスペースが望ましく、可能であれば高さのある多層ケージを選ぶことで、上下の移動が可能になり、ラットの好奇心や運動欲求を満たすことができます。
ケージの床面には足を痛めないように床材を使い、かじれる木材やトンネル、ハンモックなどを配置してあげましょう。
さらに、巣箱や隠れ家を複数用意しておくことで、安心できる居場所をつくることができます。
また、レイアウトは定期的に変えることで飽きを防ぎ、環境に変化を与えて刺激を与えることができます。
こうした配慮がストレス軽減に大きく貢献します。
日中は静かで落ち着ける環境にする
ファンシーラットは夜行性のため、日中は休む時間です。
騒音や振動が多い環境では十分な休息が取れず、慢性的なストレスを引き起こしてしまいます。
テレビの音や人の話し声、掃除機の音などはなるべく避け、静かな場所にケージを設置することが理想です。
また、直射日光が当たる場所やエアコンの風が直接当たる場所も避け、カーテンや遮光布を使って落ち着ける環境を整えてあげましょう。
さらに、就寝中に人が頻繁に出入りする場所(リビングの中心など)は避け、可能であれば静かな部屋を専用の飼育スペースにするのがおすすめです。
ストレスの少ない触れ合い方を心がける
ファンシーラットと良好な関係を築くためには、ラットの気持ちや反応に十分注意を払いながら、無理のないペースで触れ合うことが大切です。
特に飼い始めの時期や、警戒心の強い個体の場合は、急に抱き上げたり追いかけたりするのは避けましょう。
まずは声をかけたり、手のひらにおやつをのせてそっと近づけるなどして、安心感を与えるところから始めます。
触れる際は、ラットが自分から近寄ってくるのを待ち、短時間から少しずつ接触時間を増やしていくのが理想です。
また、触る場所にも配慮が必要で、頭や背中よりも顎の下や首筋など、ラットが比較的安心できる場所から慣らしていきましょう。
焦らず根気強く接することが、ラットの信頼を得るカギとなります。
同居ラットとの相性や数を見直す
ファンシーラットは社会性のある動物ですが、すべての個体がうまくやっていけるとは限りません。
多頭飼育を行う際には、それぞれの性格や年齢、性別のバランスをよく考慮する必要があります。
たとえば、縄張り意識が強い個体や、支配的な性格のラットがいる場合、他のラットに対して攻撃的になることがあります。
また、ケージ内のスペースが狭いと、逃げ場がなくなり喧嘩に発展しやすくなるため、広めのケージと複数の隠れ家を用意することも重要です。
新しい個体を導入する際には、必ず最初は別々のケージで慣らし、徐々に匂いや存在に慣れさせるステップを踏むようにしましょう。
定期的に個体同士の様子を観察し、ストレスや衝突が見られる場合は速やかに分ける判断も必要です。
運動不足を防ぐおもちゃや遊び場の工夫
ファンシーラットは非常に活発で知的好奇心の高い動物であり、運動不足や刺激の欠如はストレスの大きな原因となります。
ホイール(回し車)はファンシーラットには必要ないと言われたり、必要と言われたり意見が分かれていますが、使うか使わないかは個体差があるので、用意して損はないと思います。
ラット用に適したサイズで、背骨が曲がらないような安全設計のものを選ぶことが重要です。
おすすめはこちらです。
また、トンネルやチューブは探索本能を刺激し、安心できる隠れ場所としても機能します。
かじり木やダンボールの箱、小さな紙くずなども好奇心を満たす遊び道具として活用できます。
さらに、空のティッシュ箱やガチャガチャのカプセルを使ったDIYおもちゃもおすすめです。
ケージの外で遊ばせる時間も非常に大切で、飼い主とのコミュニケーションを深めるだけでなく、運動不足の解消にもなります。
安全なスペースを確保し、コードや小物類を片付けた上で、10〜30分程度の自由時間を毎日設けるのが理想です。
おもちゃは定期的に入れ替えることで、飽きることなく楽しむことができ、精神的な充足感を得ることにもつながります。
とある日のオレオ。
人形を連れて帰りたがっていたのでお友達としてかな?と思い手伝ってあげたら、まさかの張り手の応酬🤣
ストレス解消の為😅? pic.twitter.com/PZC8REQcVZ— ファンシーラット姉妹のチェブ&オレオ ずっと忘れない 愛娘達にいつまでも変わらぬ愛を (@chebandoreo0401) September 22, 2020
子犬のようにおもちゃで遊ぶ姿はほんとに可愛いですよね。
定期的な掃除と清潔な住環境の維持
ファンシーラットの健康を守るうえで、清潔な住環境の維持は欠かせません。
汚れたケージはアンモニア臭や細菌の繁殖によってストレスの大きな要因となり、呼吸器疾患や皮膚病の原因にもなります。
毎日のトイレ掃除に加えて、水入れやエサ皿の洗浄もこまめに行うようにしましょう。
床材は吸水性のある紙製チップや布製パッドなどを使い、湿気がこもらないよう工夫することも大切です。
週に1回程度は、ケージ全体を水洗いし、隅々まで清掃・消毒を行います。
この際、洗剤の残り香が残らないようにしっかりとすすぎ、完全に乾かしてから再設置するようにしましょう。
巣箱やハンモックなどの布製品も、汚れが目立つ前に定期的に洗濯することで、臭いや雑菌の繁殖を防ぐことができます。

温度・湿度管理で快適さを保つ
ラットにとって快適な温度環境は非常に重要です。
適温はおおよそ20~26℃前後で、これを大きく外れると体調不良やストレスの原因になります。
特に夏場や冬場の気温変化には注意が必要で、エアコンやヒーターを使って適切に調整しましょう。
また、湿度についても40~60%を保つことが理想とされており、乾燥しすぎると皮膚トラブルや呼吸器系への悪影響を及ぼすことがあります。
湿度が低い場合は加湿器を、逆に高すぎる場合は除湿機や風通しの良い場所の確保が効果的です。
温湿度計をケージ付近に設置し、常に環境をモニタリングすることも、快適な飼育環境づくりには欠かせません。
ファンシーラットのストレス行動 まとめ
ファンシーラットは小さな体に多くの感情を抱えています。
行動の変化に早く気づき、ストレスの原因を取り除いてあげることが、健康で長生きするためのカギです。
今回紹介したような行動が見られた場合は、環境の見直しや動物病院での相談も検討しましょう。
日々の観察と愛情が、ファンシーラットの幸せな暮らしを支えます。
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