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フェネックを飼うのは難しい?初心者が知っておくべきこと総まとめ【2025年】

小動物
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「SNSで見るフェネックが大人しくて可愛すぎる!本当にあんな感じなの?」

「キツネの仲間だから、犬みたいにしつけや散歩ができるって本当?」

「フェネックを迎えたいけど、アパートでも飼えるのか不安…」

そんな疑問や憧れを持っている方に向けて、本記事ではフェネックの飼育がなぜ「極めて難しい」と言われるのか、その真相を徹底解説します!

愛らしい見た目の裏に隠されたフェネックの本当の習性、飼育する上での厳しい注意点、そして多くの人が誤解している情報について、詳しく掘り下げていきます。 「フェネックは本当にペットに向いているのか?」その答えと、後悔しないための正しい知識を身につけましょう!

本記事のポイント

✔ トイレはほぼ覚えず、マーキングのをする
✔ 夜行性で、深夜に響く鳴き声は非常に大きい
✔ 専門の獣医師と特殊な飼育環境が不可欠

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フェネックを飼うのは難しい?

フェネックとはどんな動物?

フェネックは、食肉目イヌ科キツネ属に分類される哺乳類です。特筆すべきは、イヌ科の動物の中で最も体が小さいという点です。主な生息地は北アフリカのサハラ砂漠をはじめとする広大な砂漠地帯や半砂漠地帯で、その身体のあらゆる特徴が、灼熱の太陽と厳しい乾燥、昼夜の激しい寒暖差といった過酷な環境を生き抜くために最適化されています。

体長は平均して30cmから40cm、体重も1.5kg前後と、小型犬よりもさらに小柄です。しかし、その小さな体で最も目を引くのは、体長の3分の1にも達することがある巨大な耳介です。この大きな耳は、微かな音も逃さず捉える高性能な集音器として機能し、砂の中に潜む昆虫や小型爬虫類といった獲物の位置を正確に特定するために役立ちます。同時に、耳の表面を走る無数の毛細血管を通じて体内の熱を効率的に放散させるラジエーターの役割も担っており、体温調節に不可欠な器官です。

足の裏は厚くフワフワとした体毛でびっしりと覆われており、これが断熱材となって、日中の焼けた砂の上を火傷することなく歩き回ることを可能にしています。また、夜行性であるため、暗闇でもよく見える大きな目を持っています。クリーム色から淡い黄褐色の保護色となる体毛は、砂漠の景色に溶け込むだけでなく、日中の強い日差しを反射し、夜間の冷え込みから体を守る断熱効果も持っています。

項目 詳細情報
分類 食肉目 イヌ科 キツネ属
原産地 北アフリカ(サハラ砂漠など)、シナイ半島、アラビア半島
平均体長 30~40cm
平均体重 1.0~1.9kg
最大の特徴 体温調節と集音を兼ねる巨大な耳、熱い砂から足を守る毛深い足裏
野生での生態 夜行性で、昆虫や小型のトカゲ、鳥の卵などを捕食。家族単位の群れで生活する。

フェネックの性格

フェネックは、好奇心臆病さの両方を掛け持つ不思議な性格です。

非常に賢く、身の回りの物事に対して強い好奇心を示し、遊ぶことが大好きです。しかし、その一方で、捕食される側としての本能から、極めて臆病で神経質、そして警戒心が強いという側面を色濃く持っています。

物音、見慣れない物、知らない人に対しては非常に敏感に反応し、驚くとパニック状態に陥ることも少なくありません。この繊細な性格のため、飼い主との信頼関係を築くには、多大な時間と忍耐、そして静かで安定した環境が不可欠です。

犬のように飼い主に服従したり、猫のように気ままに甘えたりするのとは異なり、フェネックとの関係は、野生動物と共存するという意識を持つことから始まります。慣れた飼い主に対しては愛情深い一面を見せることもありますが、それはあくまでフェネックが安心できる範囲内でのことに限られます。

フェネックの寿命

野生の過酷な環境下では、天敵や食料不足によりフェネックの寿命は数年程度と推測されています。しかし、適切な飼育環境下においては、その寿命は大きく延びます。

栄養バランスの取れた食事、ストレスの少ない生活環境、そして何よりもエキゾチックアニマルに精通した獣医師による医療ケアを提供することで、平均して10年から15年、あるいはそれ以上生きることが報告されています。

これは、小型犬や猫と同等の長い期間であり、フェネックを家族に迎えるということは、その一生に寄り添う長期的な責任を負うことに他なりません。

フェネックの価格

フェネックは希少性が高く、国内での繁殖例も少ないため、生体価格は非常に高額です。

ペットショップや専門のブリーダーから購入する場合、その価格は100万円から200万円、あるいはそれ以上が相場となっています。価格は、個体の血統、慣れの度合い、健康状態などによって大きく変動します。

さらに、生体価格に加えて、飼育環境を整えるための初期費用も考慮しなければなりません。

大型で頑丈なケージ、脱走防止策を施した運動スペース、室温を一定に保つためのエアコン設備、防音対策費用、そして万が一に備えた医療費など、初期投資だけでも数十万円単位の出費を覚悟する必要があります。

フェネックの餌

フェネックは雑食性ですが、その食性は野生での生態に基づき、肉食に強く偏っています。野生では、昆虫類(バッタ、イナゴなど)、ネズミのような小型哺乳類、トカゲやヤモリなどの爬虫類、鳥の卵、そして僅かな植物質として果実や植物の根などを食べています。

この食性を飼育下で再現するためには、綿密な食事管理が求められます。

基本となるフードには、高品質なドッグフードや、タウリンが豊富に含まれた肉食動物用のプレミアムキャットフードが用いられることが多いです。

おすすめはこちらの国産ドッグフードです。

しかし、それだけでは十分ではありません。

動物性タンパク質を補うために、加熱した鶏のささみや胸肉、ウズラの卵などを与える必要があります。また、ビタミンや繊維質を補うために、ごく少量の果物や野菜を細かく刻んで与えます。

与えてはいけない食材(チョコレート、ネギ類、ブドウなど)も多く、栄養バランスの偏りは深刻な健康問題に直結するため、極めて高度な知識が必要です。

フェネックはトイレを覚えるのか?

結論から言うと、フェネックに特定の場所で排泄させる「トイレのしつけ」は、ほぼ不可能に近いです。犬や猫とは異なり、縄張りを主張するために自分の臭いをつける「マーキング」という習性が本能に深く刻み込まれています。

そのため、ケージの中はもちろん、部屋の隅、家具の上、カーテン、飼い主のベッドの上など、フェネックが自分のテリトリーだと認識したあらゆる場所で、ところ構わず排泄行為を行います。

これはしつけで改善できる問題ではなく、フェネックという動物の習性そのものであるため、飼い主はこれを受け入れ、常に対策と清掃に追われる生活を覚悟しなければなりません。

フェネックはなつくのか?

フェネックは幼い頃から愛情を持って丁寧に育てられた場合は、特定の飼い主を「安全な存在」として認識し、深い信頼関係を築くことができます。

信頼した飼い主に対しては、自分からそばに寄ってきたり、膝の上で眠ったり、優しく撫でられることを受け入れたりすることもあります。

しかし、それはあくまでフェネックと信頼関係が築けている前提なので、最初から懐くことが少ないです。時間をかけて愛情を注げば犬のように懐いてくれること間違いなし!

フェネックの臭い

フェネックの体臭そのものは、それほど強くありません。

尾の付け根あたりにある臭腺(尾上腺)からは、個体によって「スミレの花のよう」とも表現される、わずかに甘い香りがすることがあります。しかし、飼育上問題となるのは、体臭ではなく排泄物の強烈な臭いです。

特にマーキングのためにスプレーされる尿は、非常に濃いアンモニア臭を放ちます。

トイレのしつけが困難であるため、この強烈な臭いが部屋のあちこちに付着することになります。布製品に染み付いた臭いはなかなか取れず、徹底した清掃と消臭対策を毎日行わなければ、住環境を維持することは困難になるでしょう。

フェネックはうるさい?

フェネックは非常にうるさい動物です。

その鳴き声は、小さな体からは想像もできないほど大きく、しかも甲高いのが特徴です。可愛らしい見た目からは想像しにくいですが、実際に飼ってみるとその声の大きさに驚く飼い主も少なくありません。

特に、フェネックは何かを要求しているときや興奮状態にあるとき、「キャンキャン!」という鋭い高音で鳴きます。また、驚いたときや強い不安を感じたときには、「ギャーッ!」という絶叫に近い声をあげることもあります。これは野生の名残でもあり、危機を周囲に知らせるための本能的な行動と考えられています。

さらに大きな問題となるのが、フェネックが夜行性であるという点です。人が就寝する深夜に最も活動的になるため、この時間帯に鳴き声をあげることが多く、特に集合住宅では深刻な騒音トラブルに発展する可能性があります。壁の薄いアパートなどでは隣人とトラブルになることもあり、飼育が非常に難しいとされる理由の一つです。

フェネックに散歩は必要?

いいえ、フェネックには犬のような屋外での散歩は基本的に不要であり、むしろ控えるべきです。

というのも、フェネックはとても臆病で、外の物音や人の気配、車の音、他の動物の存在など、ささいな刺激にも過敏に反応してパニックに陥ってしまいます。

一度パニックになると、体が柔らかく身軽なフェネックは、どんなにしっかりと装着したハーネスであってもすり抜けてしまうことがあります。そうして脱走した場合、フェネックは非常に素早く警戒心も強いため、捕まえるのはほぼ不可能といっても過言ではありません。

とはいえ、運動そのものが不要というわけではありません。フェネックは非常に活発で、運動不足になるとストレスや問題行動を引き起こす可能性があります。そのため、安全が確保された室内環境で思い切り体を動かせるスペースを用意する必要があります。たとえば、家具を避けて走り回れる広めの部屋や、天井までしっかりとネットで囲ったベランダや庭などが理想です。

屋外に連れ出して散歩するのではなく、室内で安心して遊べる環境を整えることが、フェネックの健康と安全のためには重要です。

フェネックを飼うのに適している人とは?

フェネックの飼育者に求められる資質は、単なる動物好きというだけでは不十分です。

まず、夜行性の生活リズムに合わせられる時間的余裕と、鳴き声や臭いに対応できる住環境(できれば防音対策を施した一戸建て)が不可欠です。

次に、高額な生体価格や設備投資、継続的な食費や医療費を賄える経済的な安定が求められます。

そして最も重要なのは、臆病で繊細なフェネックの習性を深く理解し、しつけが思い通りにならなくても決して叱らず、気長に信頼関係を築いていける忍耐強さと深い愛情を持っていることです。エキゾチックアニマルの飼育経験がある方が望ましいと言えます。

日本での飼育における注意点

日本国内でフェネックを飼育するにあたり、いくつかの法的な注意点があります。

フェネックは「特定動物(人に危害を加えるおそれのある危険な動物)」には指定されていませんが、「外来生物法」により、愛玩目的での輸入が規制されています。

そのため、国内で販売されている個体は、正規の手続きを経て輸入されたものであるか、あるいは国内で繁殖された個体である必要があります。購入時には、その証明となる書類を必ず確認してください。また、万が一にも屋外へ脱走させてしまった場合、日本の在来生態系に悪影響を及ぼす恐れがあるだけでなく、フェネック自身も生き延びることは困難です。脱走防止対策は、飼い主の絶対的な義務です。

フェネックを飼うのが難しい7つの理由

その魅力的な外見に反して、フェネックの飼育は想像を絶する困難に満ちています。安易な気持ちで飼い始め、後悔するケースが後を絶ちません。ここでは、飼育を断念する原因となりがちな7つの具体的な理由を、さらに詳しく解説します。

①鳴き声が大きく夜行性で生活リズムが合わない

フェネックは夜行性の動物であり、その活動のピークは人間が眠りにつく深夜から明け方にかけて訪れます。

この時間帯に、フェネックは食事や遊びを求めて活発に動き回り、様々な鳴き声を発します。その声は「キャンキャン!」という甲高い要求鳴きや、「クーン、クーン」という甘えたような声、さらには興奮した際や威嚇する際には「ギャー!」という絶叫に近い、非常に大きく甲高い声を出すことがあります。

この声は集合住宅の壁や床を容易に突き抜け、近隣住民との深刻な騒音トラブルに発展するリスクが高いです。また、飼い主自身も夜通し続く鳴き声や物音によって慢性的な睡眠不足に陥ることを覚悟する必要があります。

②トイレのしつけがほぼ不可能に近い

何度か触れている通り、フェネックのトイレ問題は飼育における最大の難関の一つです。

これはフェネックの知能が低いからではなく、自分の縄張りを主張するためのマーキングという、消すことのできない本能的な行動だからです。部屋の複数箇所にトイレを設置しても、そこで排泄するとは限りません。

ソファ、ベッド、カーペット、壁際、電気コードの上など、文字通り家のあらゆる場所がトイレになり得ます。これを防ぐことはできず、飼い主ができることは、汚されるたびに根気強く掃除と消臭を繰り返すことだけです。

防水性の高い床材を選び、家具は丸洗いできるものや高価なものを避けるといった、家全体をフェネック仕様に変える覚悟が求められます。

③運動量が多い

砂漠という広大な大地を走り回っていた野生の血を引くフェネックは、その小さな体からは想像もつかないほどのエネルギーと運動量を秘めています。

狭いケージの中に一日中閉じ込めておくような飼育は、フェネックに極度のストレスを与え、問題行動(自傷行為、攻撃性の増加など)や健康障害を引き起こす原因となります。

理想的には、室内の一部屋を丸ごとフェネック専用の運動スペースとして提供し、安全対策を施した上で自由に走り回らせる環境が必要です。

登ることも得意なため、キャットタワーのような立体的に動ける遊具も設置してあげると良いでしょう。日本の一般的な住宅事情でこの環境を確保するのは、容易なことではありません。

④強い警戒心と人に慣れにくい性格

ペットとして長い歴史を持つ犬や猫とは異なり、フェネックの家畜化の歴史は非常に浅く、その心には野生動物としての強い警戒心が深く根付いています。

飼い主として認め、信頼した特定の人間以外には、まず心を開きません。見知らぬ来客や、掃除機などの大きな音がする家電製品は、フェネックにとって大きな脅威であり、強いストレスの原因となります。

恐怖を感じたフェネックは、パニック状態で部屋中を走り回ったり、ケージの隅で固まってしまったり、あるいは防衛本能から飼い主に対しても本気で噛みついてくることがあります。その歯は鋭く、噛まれれば深刻な怪我につながる危険性があります。

難易度が高い要因 具体的な行動や心理 対策の方向性
強い警戒心 物音、来客、新しい物に極度に敏感。パニックに陥りやすい。 静かで安定した環境を提供し、刺激を最小限に抑える。
慣れの遅さ 信頼関係の構築に数ヶ月~数年単位の時間を要する。 焦らず、フェネックのペースを尊重し、ポジティブな経験を積ませる。
防衛行動 恐怖を感じると、威嚇したり本気で噛みついたりすることがある。 無理に触ったり追いかけたりせず、安全な距離感を保つ。

⑤フェネックの餌やりは難易度が高い

フェネックの健康は、日々の食事管理にかかっていると言っても過言ではありません。前述の通り、肉食寄りの雑食という特殊な食性のため、市販のドッグフードやキャットフードをただ与えるだけでは、栄養失調を招く恐れがあります。

特に、タウリンのバランスが崩れると、骨がもろくなるリスクがあります。

これを防ぐためには、主食のフードに加え、動物性タンパク質(昆虫、肉類)補い、常に最適な栄養バランスを計算し続ける必要があります。これは、動物栄養学に関する深い知識と、手間を惜しまない姿勢がなければ実践できません。

⑥医療体制が整っていない地域では診てもらえない

フェネックが病気や怪我をした時、頼りになるのは動物病院ですが、犬や猫を専門とする一般的な動物病院では、フェネックの診療を断られるケースがほとんどです。

フェネックの生態、生理、病気に関する知識を持つ獣医師は全国でも極めて少なく、適切な診断や治療、さらには安全な麻酔処置を行える病院は大都市圏などに限られています。

お住まいの地域や近隣に、フェネックを確実に診てくれる専門病院が存在するかどうか、これは飼育を始める上での絶対条件です。緊急時に適切な医療を受けさせられない環境では、飼う資格がないと断言できます。

⑦そもそも日本でほとんど売られてない

これほどの困難を乗り越える覚悟を決めたとしても、最後の壁として「入手自体の難しさ」が立ちはだかります。

前述の通り、輸入規制の強化や繁殖の難しさから、国内で正規に販売されるフェネックの数は非常に限られています。信頼できる優良なブリーダーや、エキゾチックアニマルの扱いに長けた専門店を見つけること自体が一苦労です。

需要に対して供給が圧倒的に少ないため、必然的に価格は高騰し、予約待ちが数年に及ぶことも珍しくありません。違法なルートや、劣悪な環境で繁殖させる業者から入手することは、動物福祉の観点からも絶対に避けるべきです。

フェネックを飼うのは難しい?上手に飼うために

数々の困難を乗り越え、フェネックを家族として迎えるためには、徹底した準備と深い理解に基づいた飼育環境の構築が不可欠です。ここでは、フェネックと飼い主双方が幸せに暮らすための具体的な方策を提案します。

①防音性の高い飼育スペースを用意する

夜間の鳴き声は、フェネックの飼育において避けては通れない問題です。対策として、まず飼育する部屋の防音性能を高めることが最優先事項となります。

壁や天井に市販の吸音材や遮音シートを施工する、窓を二重サッシにする、厚手の防音カーテンを設置するなどのリフォームが効果的です。

ケージの周りを防音パネルで囲うといった方法もあります。これらの対策は、近隣への配慮だけでなく、飼い主自身の安らかな生活を守るためにも極めて重要です。

②フェレット用ケージや屋内運動場の活用

フェネックの安全と家の安全を守るため、頑丈で広々としたケージは必須アイテムです。

フェネックはジャンプ力があり、よじ登るのも得意なため、高さがあり、天井までしっかりと金網で覆われているフェレット用や猿用の大型ケージが推奨されます。

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そして、ケージはあくまで休息と安全確保の場所と考え、一日のうち数時間は、安全対策を万全に施した室内、あるいは脱走防止ネットを張り巡らせたベランダなどで自由に運動させる時間を設けましょう。

この「プレイタイム」が、フェネックのストレスを解消し、健康を維持する鍵となります。

③夜行性の特性を理解した接し方

フェネックの体内時計を無理やり人間に合わせようとすることは、大きなストレスを与えるだけで成功しません。

フェネックが夜行性であることを受け入れ、飼い主がそのリズムに歩み寄ることが大切です。

日中、フェネックが眠っている間は、部屋を薄暗くして静かな環境を保ち、無理に起こしたり構ったりしないようにしましょう。

そして、フェネックが自然に目を覚まし、活動的になる夕方から夜にかけて、餌やりや遊び、コミュニケーションの時間を設けるのが理想的な接し方です。

④徐々に慣れさせるトレーニングのコツ

臆病なフェネックとの信頼関係は、焦らず、一歩ずつ築いていく必要があります。家に迎えた初日は、ケージの外から静かに見守るだけにします。

数日経って少し落ち着いたら、ケージ越しに好物のおやつを手から与えてみましょう。これを繰り返し、「人間の手は怖くない、良いものをくれる存在だ」と学習させます。

決して大声を出さず、急な動きを避け、常に穏やかな態度で接することが重要です。フェネックが自分から興味を示して近づいてくるまで、辛抱強く待ち続ける姿勢こそが、トレーニング成功への一番の近道です。

⓹フェネックに詳しい獣医を事前に探す

これは、フェネックを家に迎える「前」に必ず完了させておかなければならない最重要事項です。

インターネットの専門フォーラムや、エキゾチックアニマル飼育者のコミュニティなどを活用し、自宅から通える範囲にある、フェネックの診療実績が豊富な動物病院をリストアップします。

実際に電話をかけて、健康診断や予防接種、緊急時の夜間対応が可能かどうかを確認し、信頼できる「かかりつけ医」を見つけておきましょう。

この事前の準備が、愛するフェネックの命を救うことに繋がります。

⓺フェネックに対する誤解をなくす

フェネックは「小さくてかわいいから飼いやすい」と誤解されがちですが、実際には非常に繊細で扱いの難しい動物です。夜行性のため昼間は寝ており、夜になると活発に動き回ります。鳴き声も大きく、集合住宅ではトラブルになることもあります。

また、トイレのしつけが難しく、部屋を清潔に保つのも一苦労です。さらに、フェネックは警戒心が強く、人に慣れるまでに時間がかかります。

こうした特性を理解せずに飼い始めると、「こんなはずじゃなかった」と感じてしまうかもしれません。誤ったイメージではなく、正しい知識を持って向き合うことが大切です。

フェネックを飼うのは難しいのか? まとめ

本記事を通じて繰り返し述べてきたように、フェネックの飼育は、一般的なペットの飼育とは一線を画す、極めて専門的で難易度の高い挑戦です。その愛らしい外見の裏には、夜行性の騒音、解決困難なトイレ問題、莫大な運動要求、繊細で臆病な性格、複雑な食事管理、そして限られた医療アクセスという、数多くの厳しい現実が隠されています。

これらの課題の一つ一つを深く理解し、それらを解決するための経済力、時間、住環境、そして何よりも動物の習性を尊重し、その一生に責任を持つという鉄のような覚悟がなければ、飼育は破綻し、人間とフェネック双方にとって悲劇的な結果を招くでしょう。

フェネックは、人間の所有欲を満たすためのおもちゃではありません。野生の魂を持つ尊い生命です。そのことを真に理解し、全てを受け入れる覚悟のある、ごく一部の限られた人にのみ、フェネックとの共生が許されるのです。

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