「ハムスターが自分から寄ってくるのに、なぜか噛まれてしまう…」
「懐いてくれてると思ったのに、どうして?」
「もしかして嫌われてるの?」
そんな戸惑いや不安を感じている飼い主さんは少なくありません。
実はこの「ハムスターが寄ってくるけど噛む」という行動には、いくつかの理由が存在します。
小さな体で一生懸命に感情を表現しようとする彼らの行動を、正しく理解することがとても大切です。

本記事では、ハムスターが寄ってくるのに噛むのはなぜか? どんな気持ちで噛んでいるのか? 噛み癖を改善するためにできる対処法や接し方について、やさしく・わかりやすく解説していきます。
✅「ハムスター寄ってくるけど噛む」の本当の理由とは?
✅ 噛まれないためにできる6つのポイント
✅ 信頼関係を深めるコツと習慣づけのヒント
この記事を読めば、噛まれる不安が和らぎ、ハムスターとの距離がぐっと縮まるはずです。
ハムスターが寄ってくるけど噛むのはなぜ?
・好奇心で噛む
・手にエサの匂いが残っている
・縄張りへの侵入と感じている
・警戒している可能性
・何かを伝えようとしている
嬉しくてテンションが上がりすぎている
ハムスターは感情表現が非常に豊かというわけではありませんが、興奮した時に「噛む」という行動でその高まった気持ちを表すことがあります。
飼い主が近づいてきて嬉しい、おやつがもらえると期待してテンションが上がっているような状況で、その喜びや興奮が過剰になると、つい甘噛みのような形で気持ちが溢れてしまうことがあります。
これは、悪意があって噛んでいるわけではなく、純粋な喜びや興奮が、その小さな体と口から表現されている状態だと理解できます。特に、普段から活発な個体や、新しい刺激に強く反応するハムスターによく見られる傾向です。
好奇心で噛む
ハムスターは非常に好奇心旺盛な動物です。彼らは視力が発達していない代わりに、優れた嗅覚と触覚(ひげ)を頼りに周囲の情報を正確に把握します。
飼い主の手がケージに近づいてきた時、それがどんなものなのか、安全なのかどうかを確かめるために、まずは匂いを嗅ぎ、次に軽く噛んで感触を確かめようとすることがあります。
この時の噛みつきは、力を込めた攻撃的なものではなく、探るような、あるいは確かめるような優しい噛み方であることがほとんどです。彼らにとって、口は世界を探求するための重要なツールであり、新しいものに触れる時の、彼らなりの探求行動だと考えられます。
なつちゃんご飯の時間だよ!なつちゃん噛む時あるけど絶対甘噛み!本気で噛まれた事ない☺️#ハムスター pic.twitter.com/NdikxIOinQ
— ねこちゃま (@nekotyama_zZ) January 27, 2025
手にエサの匂いが残っている
飼い主が以前にハムスターの餌やおやつ、あるいは他の食品を触った後、十分に手を洗っていない場合に、その手に微量な匂いが残っていることがあります。ハムスターは嗅覚が非常に優れているため、かすかな匂いでも敏感に察知します。
彼らはその匂いを餌だと認識し、飼い主の手を「食べ物」だと勘違いして、つい甘噛みしてしまうケースがよくあります。これは、ハムスターが悪意を持って噛んでいるわけではなく、純粋に美味しそうな匂いに釣られて誤って噛んでしまうだけのことであり、飼い主としては意識して防いであげるべき点です。
うっかりおやつの匂いがついたまま触ろうとすると、指先を美味しそうにぺろぺろと舐めたり、そのまま軽く噛んできたりするかもしれません。
縄張りへの侵入と感じている
ハムスターにとって、自分のケージは「縄張り(テリトリー)」であり、何よりも安全で大切な住処です。この縄張り意識は、特に野生下で身を守るために発達した本能的な行動であり、飼育下でも強く残っています。
ケージの中に飼い主の手が不用意に入ってくると、ハムスターはそれを「自分の縄張りへの侵入者」だと感じてしまうことがあります。特に、まだ慣れていないハムスターや、神経質な個体、あるいはオスの場合、この縄張り意識が強く働き、自分の領域を守ろうとして噛んで抗議することがあります。
これは、「ここは僕の場所だから入ってこないで!」という彼らなりの意思表示であり、飼い主への攻撃というよりも、自己防衛の本能的な行動だと理解できます。
警戒している可能性
過去に飼い主の手によって、ハムスターが痛い思いや怖い思いをした経験がある場合、手に近づかれることに対して強い警戒心を抱くようになります。
例えば、無理やり掴まれた、不快な場所に移動させられた、といった経験があると、「また何か嫌なことをされるかもしれない」という恐怖心や不安感から、自己防衛のために噛む行動につながることがあります。
この場合の噛みつきは、警戒心や不安の表れであり、ハムスターが自分を守ろうとしているサインです。
飼い主としては彼らが何に対して警戒しているのかを理解し、安心させてあげるための根気強いアプローチが重要になります。一度植え付けられた恐怖は、簡単には消えないものであり、時間をかけた信頼回復が必要です。
何かを伝えようとしている
ハムスターは言葉を話せませんが、噛むという行動で、飼い主に何かを伝えようとしている場合があります。例えば、「今は触られたくない」「ケージのここが気に入らない」「水が空っぽだ」「お腹が空いた」など、何らかの不満や要求がある時に、それを飼い主に知らせる手段として噛みつきを選ぶことがあります。
特に、特定の状況下で噛む癖がある場合は、その状況に何かハムスターにとって不快な要因が隠れている可能性が高いです。
飼い主は、噛みつきがあった前後の状況(餌の有無、水の量、ケージの汚れ、周囲の環境音など)をよく観察し、彼らが本当に何を伝えたいのかを読み解く努力をすることで、噛みつきの原因を取り除き、より良い関係を築くことができるでしょう。
ハムスターが寄ってくるけど噛む場合には?
・驚かせないようにゆっくり動く
・指をエサ代わりにしない習慣づけをする
・噛んでも過剰にリアクションしない
・かじり木やおもちゃで噛みたい欲求を発散させる
・ストレスの少ない静かな環境を維持する
・無理に触らず待つ姿勢を意識する
・噛みグセが改善したらしっかり褒める
手を清潔にしてエサの匂いを消す
ハムスターが手を餌と誤認識して噛むのを防ぐために、ハムスターに触れる前には必ず石けんで手を丁寧に洗い、餌や他の物の匂いを完全に消すことが非常に重要です。特に、ハムスターの餌を触った後や、料理をした後などは、たとえ目に見えなくても、ハムスターが嗅ぎ分けられるレベルの匂いが手に残っている可能性があります。
無香料のハンドソープを使用し、清潔なタオルでしっかりと水分を拭き取ることで、誤認識による甘噛みを防ぎ、噛まれるリスクを大幅に下げられます。
これは、ハムスターが安心して飼い主の手を受け入れるための、最も基本的な準備であり、清潔な手で接することは衛生面からも推奨されます。
驚かせないようにゆっくり動く
ハムスターは非常に臆病な動物であり、急な動きや大きな音に対して強い恐怖心を抱きます。そのため、ハムスターが寄ってきてる際は、常に静かに、そしてゆっくりとした動作を心がけることが大切です。
ケージに手を差し入れる際も、上から急に降ろすのではなく、ハムスターの視界に入る低い位置から、ゆっくりと指や手のひらを近づけるようにしましょう。ハムスターの動きに合わせて、焦らず、彼らが自ら近づいてくるのを待つ忍耐力も必要です。
また、声をかける際も、急に大きな声を出さず、優しく穏やかなトーンで話しかけることで、ハムスターが安心して受け入れてくれる可能性が高まります。彼らを驚かせないという細やかな配慮が、彼らとの信頼関係を築き、噛みつきを防ぐための第一歩となるのです。
指をエサ代わりにしない習慣づけをする
ハムスターに直接指で餌を与える癖があると、ハムスターが「指=食べ物」と覚えてしまい、指を噛むようになるリスクが高まります。
このような誤認識を防ぐためには、指で直接餌をあげることを避け、スプーンやピンセット、あるいは小さく切った野菜などを利用するのがおすすめです。
これにより、ハムスターは「指は食べ物ではない」と学習し、指を噛む習慣をつけにくくなります。
もし指から直接餌を与えたい場合でも、指の先端に餌を乗せるのではなく、手のひらに餌を乗せて与えるなど、ハムスターが指を噛む隙を与えないように工夫することで、安全に触れ合いを続けることができるでしょう。
やっていること | リスク | 対策方法 |
---|---|---|
指で直接あげる | 噛む癖がつく | ピンセットやスプーンを使う |
指先におやつを乗せる | 噛まれやすい | 手のひらに乗せてあげる |
毎回指からあげている | 指を見ると噛む | 餌皿やトレーを使う |
手にエサの匂いが残る | 誤って噛まれる | 手を石けんで洗う |
噛まれて驚く反応をする | 反応で学習してしまう | 冷静に手を引く |
噛んでも過剰にリアクションしない
もしハムスターに噛まれてしまった場合でも、大声を出したり、手を勢いよく振り払ったりするなどの過剰なリアクションは避けることが重要です。
大きな声や急な動きは、ハムスターをさらに驚かせ、恐怖心を与えてしまうだけでなく、「噛むと飼い主が反応してくれる」と誤学習させてしまう可能性もあります。噛まれた際は、痛くてもぐっとこらえ、冷静にゆっくりと手を引くようにしましょう。
そして、噛みつきが収まったら、しばらく時間を置いてから再度アプローチするか、その日は触るのをやめて様子を見るなど、冷静な対応を心がけることが、ハムスターに無駄な刺激を与えず、信頼関係を維持するために極めて大切です。
かじり木やおもちゃで噛みたい欲求を発散させる
ハムスターは、歯の伸びすぎを防ぐためや、単にストレス解消のために何かを齧ることを好む動物です。もしハムスターが頻繁に噛む行動を見せるのであれば、それは単に「噛みたい」という欲求が満たされていない可能性も考えられます。
この噛みたい欲求を適切に発散させてあげるために、ケージの中に安全なかじり木や専用のおもちゃを複数用意してあげましょう。
木製のおもちゃや、ハムスターが齧っても安全な素材でできたおもちゃを与えることで、彼らの噛みたい欲求が満たされ、飼い主の手やケージの金網を噛む行動を抑えることができる場合があります。
彼らが安全に噛める代替品を提供することは、噛み癖の改善にも繋がり、ハムスターのストレス軽減にも寄与します。

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ストレスの少ない静かな環境を維持する
ハムスターの噛みつき行動は、環境ストレスが原因であることも少なくありません。そのため、彼らが安心して過ごせるストレスの少ない静かな環境を維持することが非常に大切です。
ケージは、テレビの近くやドアの開閉が多い場所など、騒がしい場所や頻繁に人が行き交う場所を避けて設置しましょう。また、直射日光が当たる場所や、エアコンの風が直接当たる場所も、温度変化が激しくストレスの原因となるため、避けるべきです。
静かで安全だと認識できる環境は、ハムスターが警戒心を解き、心を開いて嬉しい行動を自然と見せてくれるための揺るぎない土台となり、ひいては噛みつき行動の減少にも繋がります。
無理に触らず待つ姿勢を意識する
ハムスターとの信頼関係を築く上で、無理に触ろうとせず、“待つ”姿勢を意識することが非常に重要です。ハムスターが飼い主の手や触れ合いに慣れていない、あるいは警戒心が強い場合、飼い主から一方的に触ろうとすると、彼らは恐怖を感じて噛みついてしまうことがあります。
まずは、飼い主がケージに近づいたときに、ハムスターが興味を示し、自ら寄ってくるのを待ちましょう。ハムスターが積極的に近づいてきた時だけ、優しく声をかけながら、ゆっくりと手や指を差し入れます。
この「待つ」という姿勢を繰り返すことで、ハムスターは飼い主が安全な存在であると認識し、自発的な信頼が育ちやすくなります。焦らず、ハムスターのペースを尊重することが、噛み癖の改善にもつながります。

噛みグセが改善したらしっかり褒める
ハムスターの噛みグセを改善するためには、ポジティブな行動を強化することが効果的です。
もし、今まで噛んでいた状況で噛まなかったり、自ら手に乗ってきたりするなど、良い行動が見られた場合は、その瞬間に優しい声かけや、小さなおやつなどのご褒美でしっかりリアクションを返すようにしましょう。
これにより、ハムスターは「この行動をすると良いことが起きる」と学習し、その行動を繰り返すようになります。例えば、手を差し出して噛まなかったら、「えらいね」「いいこだね」と優しく声をかけ、少量のおやつをあげる、あるいは好きな場所を撫でてあげるなど、ハムスターが喜ぶことをしてあげるといった方法です。
ポジティブな経験を積み重ねることで、ハムスターは飼い主との触れ合いをより楽しいものと認識し、噛みつき行動が減少していくことが期待できます。

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ハムスターが寄ってくるけど噛む:もっと仲良くなるためのヒント
・穏やかな声で話しかける習慣
・忍耐強く、彼らのペースを尊重する
・ハムスターが寄ってくるけど噛む まとめ
ハムスターの「好き」を見つける
ハムスターとの仲を深めるためには、彼らが何を喜び、何に興味を持つのかを知ることが重要です。単に餌をあげるだけでなく、ハムスターが心から楽しめる遊びや、安心できる場所を見つけてあげましょう。
例えば、回し車を元気に回すのが好きなら、静かでサイズの合った回し車を清潔に保つこと。また、潜るのが好きなら、紙製のトンネルやティッシュの芯などをケージ内に設置してあげると喜びます。
安全な場所で、短時間でもケージの外で遊ばせてあげる「部屋んぽ」も、彼らの好奇心を満たし、ストレス解消に繋がります。お気に入りのおもちゃやかじり木を見つけることで、彼らの「噛みたい」欲求を適切に満たし、あなたの手への噛みつきを減らすことにも繋がります。
ハムスターの行動を観察し、「これ、好きかな?」という視点で接することで、彼らとのコミュニケーションはより豊かになるでしょう。
穏やかな声で話しかける習慣
ハムスターは聴覚が非常に発達しており、人間の大きな声や甲高い声は彼らを驚かせ、恐怖心を抱かせてしまいます。もっと仲良くなるためには、彼らに安心感を与える穏やかで優しい声で話しかける習慣をつけましょう。
ケージに近づくときや、餌をあげるとき、遊んであげるときなど、日常のあらゆる場面で静かに話しかけることで、ハムスターはあなたの声を「安全な存在の声」として認識するようになります。同じ言葉やフレーズを繰り返して使うことで、彼らはその声に安心感を覚えるようになり、あなたへの警戒心が和らぐでしょう。
声かけは、物理的な触れ合いだけでなく、精神的な繋がりを深める大切なコミュニケーション手段の一つです。
忍耐強く、彼らのペースを尊重する
ハムスターとの間に強い絆を築くためには、何よりも忍耐強さと、彼らのペースを尊重する姿勢が不可欠です。すべてのハムスターがすぐに人間に慣れるわけではありませんし、個体差も大きいです。焦って無理やり触ろうとしたり、嫌がるのに追いかけ回したりすることは、ハムスターに強いストレスを与え、せっかく築きかけた信頼関係を壊してしまう原因になります。
ハムスターが警戒しているサイン(体を硬くする、逃げようとする、威嚇音を出すなど)を見せたら、すぐに手を引き、距離を取りましょう。
彼らが自ら近づいてきたり、好奇心を示したりするのをじっと待つことで、ハムスターは「この人は無理強いしない」と理解し、安心して心を開いてくれるようになります。小さな進歩でも喜び、彼らの成長を温かく見守ることで、真の信頼が育まれていくでしょう。
最近人慣れして手乗りしてくるモカ🐹たまに噛むけどカワイィ#ジャンガリアンハムスター#ハムスター pic.twitter.com/Xxa4Toq1yi
— SAORI🐹 (@SAORI05080927) May 22, 2025
ハムスターが寄ってくるけど噛む まとめ
ハムスターが寄ってくるにも関わらず噛むという行動は、飼い主にとって戸惑いや痛みを伴うものです。しかし、その行動の裏には、彼らなりの明確な理由が存在します。
決して悪意や攻撃性からくるものばかりではなく、嬉しさによる興奮、強い好奇心、手に残った餌の匂いによる誤認識、自身の縄張りへの侵入に対する抗議、過去の経験による警戒心、そして何かを伝えようとする意図などが複雑に絡み合っていることが多いのです。
これらの理由を多角的に理解することが、噛みつき行動の解決への第一歩となります。
重要なのは、これらの噛みつき行動を単なる「問題行動」として一方的に捉えるのではなく、ハムスターからの大切なメッセージとして理解しようと努めることです。
彼らが何を伝えたいのか、何に対して不安や興奮を感じているのかを注意深く観察し、その背景にある心理を察することで、飼い主はより適切で効果的な対処法を選ぶことができるようになります。
具体的な対処法としては、まず手を清潔にして餌の匂いを完全に消すこと、そして驚かせないように常にゆっくりと静かに近づくことが基本中の基本です。さらに、指を餌と誤解させないような習慣づけを行い、万一噛まれたとしても過剰にリアクションせず冷静に対応することが大切です。
また、彼らの本能的な欲求を満たすために安全なかじり木やおもちゃで噛みたい欲求を発散させることや、ストレスを軽減するために静かで安定した環境を維持することも非常に重要です。そして、何よりもハムスターのペースを尊重し、無理に触ろうとせず「待つ」姿勢を意識し、良い行動が見られた際には惜しみなく褒めてポジティブな経験を積み重ねることが、信頼関係を築き、噛みつきを減らす上で最も効果的な方法です。
ハムスターの噛みつき行動に直面した時、一番大切なのは焦らず、根気強く、そして深い愛情を持って接し続けることです。
彼らの行動の背景にある心理を理解し、適切なケアと環境を提供することで、ハムスターとの間に揺るぎない信頼関係が築かれ、噛みつき行動が減り、より豊かなコミュニケーションが生まれるでしょう。
飼い主の優しい理解と継続的な努力こそが、ハムスターとの絆を深め、共に幸せな時間を過ごすための鍵となるのです。
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