「スジエビを飼ってみたいけど、初心者には難しいって本当?」
「きれいな見た目と動きに惹かれてお迎えしたけど、すぐに死んでしまった…」
「他の魚と一緒に飼ったら、トラブルになってしまった」

そんな悩みや疑問を持つ方に向けて、本記事ではスジエビの飼育が難しいとされる理由を丁寧に解説します。
また、どうすればスジエビを元気に長生きさせられるのか、飼育のコツや注意点についても詳しく紹介していきます。
✔ スジエビは水質や水温の変化に敏感で、初心者には難しいとされる
✔ 餌の量や種類、混泳など注意点が多い
✔ ちょっとしたストレスでも脱皮不全や飛び出し事故につながることも
✔ 正しい知識と環境があれば、初心者でも飼育は可能!
スジエビをペットとして迎える前に、ぜひこの記事を読んで後悔のない選択をしましょう。
スジエビの飼育は難しいのか?
・スジエビの寿命は?
・スジエビの餌
・他の魚と飼ってもいいの?
スジエビの基本情報
スジエビは日本全国の河川、池、用水路などの淡水域に幅広く生息している小型のエビで、自然界では底砂の中や水草の間をすばやく移動しながら生活しています。
体長はおおよそ3〜5cm程度で、個体差はあるものの、全体的に透明感のある体色が特徴的で、光の加減によってキラキラと美しく見えることもあります。
観賞用としても人気があり、特に透明な水槽での観察には最適な生体です。
また、非常に活発で日中でも行動が見られるため、飼育していて飽きることがありません。
さらに、スジエビは雑食性であるため、水槽内に残った餌や藻類を食べてくれる「掃除屋」としても重宝されています。
これにより、水槽の清掃負担を軽減し、環境を一定の状態に保つサポートをしてくれます。
ただし、食べ残しが多いと水質を悪化させる可能性もあるため、観察しながら適切な管理を心がけることが大切です。
スジエビの寿命は?
スジエビの寿命は一般的に1年程度とされていますが、これは飼育環境によって大きく左右されます。
自然界では天敵や水質の変動、気温の影響を受けやすく、短命であることが多いですが、水槽内で安定した環境を維持できれば、1年以上生きる個体も珍しくありません。
寿命を延ばすためには、水質の安定化が最も重要です。
アンモニアや亜硝酸の発生を防ぐために、フィルターの設置や定期的な水換えが不可欠です。
また、適正な水温(15〜25℃前後)を保つことも大切で、特に夏場や冬場の急激な温度変化には注意が必要です。
さらに、ストレスを感じにくい飼育環境(隠れ家やレイアウトの工夫)を整えることで、スジエビが健康に過ごせる期間を伸ばすことができます。
スジエビの餌
雑食性のスジエビは、非常に多様な食性を持っており、市販のエビ用フードはもちろんのこと、茹でた野菜(ほうれん草・ブロッコリー・かぼちゃなど)や冷凍赤虫、さらには魚の残り餌、コリドラス用の沈下性タブレットなども食べることがあります。
自然界では、落ち葉や藻類、他の生物の死骸などを食べることから、水槽内でも比較的どんな餌にも順応しやすい一方で、与える内容によっては水質の悪化を招くことがあります。
特に、餌を与えすぎると食べ残しが腐敗してアンモニアや亜硝酸が発生し、水質を大きく損なう原因になるため注意が必要です。
餌を与える際には、少量ずつ観察しながら与えることが理想で、食べきれる量を見極める習慣をつけると良いでしょう。
また、複数の種類の餌をローテーションすることで、栄養バランスが取れ、健康的な成育にもつながります。
特に脱皮前後はカルシウムを含む餌を与えることで、脱皮不全の予防にも効果的です。
他の魚と飼ってもいいの?
スジエビは基本的に温和な性格で、他の魚との混泳も可能ですが、相手を選ぶことが非常に重要です。
攻撃的な魚や、スジエビを捕食する可能性がある魚種(ベタ、アカヒレ、エンゼルフィッシュ、大型のプレコ類など)との混泳は避けるべきです。
これらの魚は、エビの動きに反応して攻撃したり、脱皮直後の柔らかい状態を狙って捕食することがあります。
一方で、メダカ、ネオンテトラ、オトシンクルス、プラティなどの比較的温和でサイズの小さい魚は、スジエビと相性が良いとされています。
ただし、混泳を行う際には、スジエビが身を隠せる水草や流木、シェルターなどを十分に用意し、エビのストレスを軽減する工夫を施すことが成功のポイントです。
また、混泳初期には魚の様子とスジエビの反応をしっかり観察し、問題がないかを確認しながら徐々に環境に慣らしていくことが望ましいです。
よくタンクメイトで海老を飼育する人がいるけど
スジエビをタンクメイトで飼育している人はいるかな?私は、エビは入れていないね何故かと言うと、うちのお魚みんなが食べちゃうから・・・
スジエビを入れてみたことはあるけどスジエビも食べられてしまった
エビと川魚との共生は無理なのかな? pic.twitter.com/EN0h78OgXf
— 御萩野杏子 Bar Apricot heart (@Freshwaterfishl) May 10, 2021
スジエビの飼育が難しいとされる8つの理由
・餌の与え方が難しい
・適切な水温管理が意外と難しい
・脱皮トラブルが起こりやすい
・酸素不足に弱く、エアレーションが必須
・混流相手を間違えるとトラブルのもとに
・過密飼育がストレスや攻撃性を引き起こす
・飛び出し事故が多い
水質管理がシビア
スジエビは水質の変化に非常に敏感な生き物です。
アンモニアや亜硝酸がわずかに発生するだけでも体調を崩しやすく、最悪の場合は死に至ることもあります。
さらにpHの急激な変化はスジエビにとって大敵であり、弱アルカリ性から中性付近を維持するような繊細な管理が必要です。
また、水温によっても水質が変化しやすいため、外気温に左右されにくい設置場所の選定も重要になります。
初心者にとっては水質検査や頻繁な水換えが必要なこの管理はハードルが高く、安定した飼育環境を維持するためにはこまめな観察とデータの記録が効果的です。
餌の与え方が難しい
スジエビは雑食性であり、魚の餌や茹でた野菜、小さな昆虫など様々なものを食べます。
しかし、食べ残しが水質悪化の原因となるため、食べきれる量を見極めて与える必要があります。餌の与えすぎはアンモニアやカビの発生を引き起こす要因になりかねません。
さらに、人工飼料に慣れていない個体は餌を食べずに衰弱してしまうこともあるため、導入初期は様々な餌を少量ずつ試して反応を観察することが大切です。
また、餌を与えるタイミングや頻度、照明の有無によって食いつきが変わることもあるため、飼育者には柔軟な対応が求められます。
適切な水温管理が意外と難しい
スジエビは15~25℃程度の水温を好むため、比較的幅広い温度帯で飼育可能と思われがちですが、実際にはその範囲内でも急激な変化に非常に弱く、短時間での温度変動がストレスや体調不良、最悪の場合突然死につながることがあります。
特に屋内での飼育においては、室温の変化が水温に直結するため、冬場の寒暖差や夏場の高温による水温上昇には注意が必要です。
また、直射日光が当たる場所に水槽を置いていると日中の温度上昇が激しくなるため、設置場所も重要な管理ポイントとなります。
温度管理には水槽用のヒーターや冷却ファンの使用が効果的であり、自動で温度調節が可能なサーモスタット付きの機器を導入することで、安定した環境を保つことができます。
脱皮トラブルが起こりやすい
スジエビにとって脱皮は成長に欠かせない重要な過程ですが、この過程でトラブルが発生することが少なくありません。
特に多いのが脱皮不全で、殻をうまく脱ぎきれずに死んでしまうケースや、脱皮直後の柔らかい体を他の個体に襲われてしまう捕食被害もあります。
これらのリスクはカルシウム不足、水質の不安定さ、水温の急変、そして隠れ家の不足などが原因として考えられます。
対策としては、エビ専用のミネラル添加剤やカルシウムを含んだフードを与える、十分な隠れ場所を水槽内に用意する、そして脱皮の兆候が見られる個体を別容器に移すなどの方法が効果的です。
また、照明の点灯時間や水流の強さなども脱皮に影響を与えることがあるため、総合的な環境調整が求められます。
酸素不足に弱く、エアレーションが必須
スジエビは非常に酸素の要求量が高いわけではありませんが、水中の溶存酸素が不足すると、活動が鈍くなり、最悪の場合は死に至ることもあります。
特に気温が高くなる夏場は、水温の上昇により水中の酸素量が減少しやすく、酸欠リスクが高まります。
また、水流が弱い水槽では酸素の循環が不十分になりやすいため、エアレーションによる水流の確保が非常に重要です。
エアストーンやスポンジフィルターを用いることで、酸素供給と同時に濾過もできるため、一石二鳥の効果が得られます。
さらに、夜間は光合成が行われず酸素が減るため、夜もエアレーションを停止しないようにするのがポイントです。
混流相手を間違えるとトラブルのもとに
スジエビは一見おとなしく見えますが、実は肉食性の一面を持ち、特に弱った魚や脱皮直後で無防備な同種個体を襲うことがあります。
逆に、自身も大型魚や攻撃的なエビから捕食や攻撃の対象となりやすく、混泳環境によっては大きなストレスを受けることになります。
こうしたトラブルを防ぐためには、混泳相手の選定が非常に重要です。
たとえば、同じく温和な性格を持ち、スジエビと生活圏が異なる底物系の小型魚や、メダカ類などが比較的相性が良いとされています。
また、混泳前には必ず相手の習性や攻撃性について調べておくことが必要です。
水槽内に十分な隠れ家やテリトリー分散用の障害物を設置することで、ストレスや争いを軽減する工夫も有効です。
過密飼育がストレスや攻撃性を引き起こす
スジエビは本来単独でも生息できる生き物であり、限られた空間に多くの個体を詰め込みすぎると、縄張り争いやストレスによる攻撃行動が頻発します。
特にオス同士は縄張り意識が強く、狭いスペースでは喧嘩や追い回しが起きやすくなり、最悪の場合共食いに発展することもあります。
こうしたリスクを避けるためには、適正な飼育数の把握が重要であり、例えば60cm水槽であればスジエビ10匹程度が無理のない目安です。
さらに、流木や石、人工の隠れ家をバランスよく配置することで、視界を遮り、縄張りの区分けが可能になります。
レイアウトによって行動範囲を広げることができれば、ストレスも緩和され、より健康的に育てることができます。
飛び出し事故が多い
スジエビは非常に俊敏な動きを見せる生き物であり、驚いたり強いストレスを受けたりすると水槽の外に向かってジャンプすることがあります。
とくに夜間や照明の点灯・消灯時、急な音や振動に驚いたときなどに飛び出すケースが多く、水槽の外に落ちたまま放置されると短時間で命を落とす危険性があります。
こうした事故を防ぐためには、水槽にぴったり合うフタを常時設置することが不可欠です。
フタには通気口があるものや、エアレーションホースを通す穴があるタイプも市販されており、用途に応じて選ぶと良いでしょう。
また、水面とフタとの距離をある程度確保することで、ジャンプしても直接ぶつからないように工夫することも有効です。
飼育環境の安全性を高めることは、スジエビの長期飼育につながる大切な要素です。
「スジエビの飼育が難しい」を克服するためのポイント
・季節ごとの水温管理と凍却・加温の工夫
・酸素供給のためのエアレーション設置法
・適正な飼育数とレイアウトで快適な環境を作る
・スジエビの飼育は難しいのか? まとめ
水換えとフィルターで水質を安定させるコツ
スジエビの健康を維持するうえで、水質の安定は最重要項目のひとつです。
週に1度の定期的な水換えを行うことで、有害物質の蓄積を防ぎ、清潔な環境を保つことができます。
特にアンモニアや亜硝酸といった有害な化学物質は目に見えず蓄積しやすいので、水質チェッカーを使って「見える化」することで、初心者でも管理しやすくなります。
また、ろ過能力の高い外部フィルターや、スポンジフィルターとの併用も効果的で、物理的なゴミの除去とともに生物ろ過の役割も果たします。
さらに、フィルターのメンテナンスも忘れずに行うことで、フィルター自体の性能を長期間維持することが可能になります。
適切な濾材を使ったり、バクテリアの定着環境を整えることで、より安定した水質を長期間維持できます。
季節ごとの水温管理と凍却・加温の工夫
スジエビは急激な温度変化に弱いため、季節に応じた水温管理が重要です。
夏場は気温の上昇とともに水温も上がりやすく、特に室内の水槽では水温が30℃を超えてしまうこともあります。
そんなときは、水槽用ファンを活用した簡易的な冷却方法が効果的です。
さらに、高温対策として冷却用クーラーの導入を検討しても良いでしょう。
一方、冬場は気温の低下により水温も下がりやすく、スジエビにとっては活動が鈍くなりやすい季節です。
このような場合には、小型ヒーターを使用し、サーモスタットで水温を20℃前後に維持することが理想です。
また、急な温度変化を避けるために、水槽の設置場所は直射日光の当たらない安定した環境が望ましく、窓際やエアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。
酸素供給のためのエアレーション設置法
スジエビを健康に飼育するうえで、酸素の供給は非常に重要な要素です。
特に水温が高くなると水中の溶存酸素量は自然と低下し、酸素不足に陥りやすくなります。
そのため、日常的に酸素を効率よく供給する仕組みを整えておくことが大切です。
さらに、エアレーションの気泡が水面を動かすことで油膜の発生も防げるため、見た目の美しさを保つうえでも役立ちます。
適正な飼育数とレイアウトで快適な環境を作る
スジエビにとって快適な飼育環境を整えるためには、単に広い水槽を用意するだけでなく、個体同士のストレスを軽減する工夫が欠かせません。
まず、過密にならないよう適正な飼育数を守ることが基本です。
60cm水槽であれば、10匹程度が理想とされます。
それ以上飼育する場合は、レイアウトを工夫して視線や動線が交差しにくい空間構成にする必要があります。
また、レイアウトには流木や岩、人工シェルターなどをバランスよく配置することで、個体ごとのテリトリーを確保しやすくなります。
こうすることで争いごとを減らし、エビたちが落ち着いて生活できる空間を作ることができます。
底砂には自然の色合いを持つソイルや砂利を使用すると、スジエビの警戒心を和らげる効果も期待できます。
さらに、季節ごとの水温管理もレイアウトの一部として考慮するべきです。
電池式やサーモスタット付きの小型ヒーターの設置により、常に安定した水温を保つことができ、健康的な成育環境を実現できます。
これらを総合的に組み合わせることで、スジエビにとってストレスの少ない、快適な住処を提供できるのです。
スジエビの飼育は難しいのか? まとめ
スジエビは見た目の美しさや水槽内での掃除役としての魅力があり、人気の高い淡水エビです。
しかし実際の飼育では、水質や水温への敏感さ、脱皮時のトラブル、混泳の難しさなど、初心者が見落としがちな課題がいくつもあります。
一方で、こうした課題を理解し、適切な環境と知識を持って準備すれば、スジエビの飼育は決して不可能ではありません。
日々の観察とこまめな管理を心がけることで、スジエビを健康に育て、その魅力を最大限に楽しむことができるでしょう。
スジエビをこれから迎えようと考えている方は、「飼育が難しい」と言われる背景を正しく理解し、自分に合った飼育スタイルを見つけることが大切です
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