「可愛くて小さくて、手軽に飼えると思ってハムスターを迎えたけど…思ってたのと違ったかも」
「夜中にガタガタ動き回って眠れない」「まったく懐いてくれない」「掃除が意外と大変で…」そんなふうに感じていませんか?
SNSやペットショップで見る“理想の姿”とは裏腹に、実際に飼い始めてから「ハムスター飼わなきゃよかった」と後悔する人は少なくありません。

本記事では、ハムスターを飼ってから見えてくるリアルな悩みとその背景、そして後悔を減らすためにできる対策や、これから飼う人が知っておくべき大切な知識を詳しく解説します。
✔ 「ハムスター飼わなきゃよかった」と感じるよくある理由
✔ その後悔を少しでも軽減するための具体策
✔ 事前に知っておきたいハムスター飼育の現実と向き合い方
「思ってたのと違う…」とならないように、飼い主として後悔しない選択をするためのヒントを、ぜひこの記事で掴んでください。
「ハムスター飼わなきゃよかった」と言う人が多い理由とは
・なつかない
・想像以上に臭いがきつい
・掃除や世話が意外と手間
・寿命が短い
・お金がかかる
・脱走の危険とその捕獲ストレス
・旅行に行けない
・SNSのイメージと現実のギャップにショック
夜にうるさい
ハムスターは自然界では捕食者から身を守るため、昼間は巣穴に隠れて眠り、日が沈んでから餌を探したり活動したりする夜行性の動物です。この生態は、飼育下においても変わることはありません。夜になると、ケージの中で回し車を勢いよく回す「カラカラ」という音、餌の種子を硬い音を立てて齧る「カリカリ」という音、時にはケージの金網やプラスチックを一生懸命に齧る「ガリガリ」という音など、様々な生活音が響き渡ります。
特に、寝室やリビングのすぐ近くにケージを置いている場合、これらの音が就寝の妨げとなり、睡眠の質を著しく低下させる原因となることがあります。最初は可愛らしいと思っていても、毎晩、そして何年も続く騒音は、次第に飼い主の心身にストレスを蓄積させ、不眠症やイライラといった症状を引き起こすことも珍しくありません。
静かな環境での睡眠を重視する方にとっては、この夜間の活動音が大きな後悔の種となる可能性があるのです。
うるさいですねぇ#ハムスター pic.twitter.com/m4lYzQ6W6x
— 郡南蛮田 平平(ぐなんばんでん へいぺい) (@uddoonn) January 22, 2025
なつかない
多くの人がペットを飼う理由の一つに、動物との触れ合いや絆を期待することが挙げられます。しかし、ハムスターに関して言えば、その期待が裏切られる可能性は十分にあります。SNSなどで見かける、飼い主さんの手のひらで穏やかに眠るハムスターや、肩に乗って遊んでいるような可愛らしい姿は、あくまで多くの個体の中の一部の例、あるいは時間をかけて根気強く馴らした結果であると認識しておくべきです。
ハムスターはもともと非常に警戒心が強く臆病な動物です。人間が近づくだけでパニックになったり、身の危険を感じて噛みついてきたりする個体も少なくありません。中には、どれだけ時間をかけても触らせてくれない、抱っこを嫌がる、といった個体もいます。
期待していたような深い触れ合いや、スキンシップができないことに、飼い主は寂しさや失望感を覚え、「こんなはずじゃなかった」と後悔の念に駆られてしまうことがあります。ハムスターは犬や猫のように、人間と密接なコミュニケーションをとることを得意としない、という事実を受け入れる準備が必要です。

想像以上に臭いがきつい
ハムスターは体が小さいため、あまり臭わないと思われがちですが、実はその認識は誤りであることが多いです。特に、おしっこの臭いは非常に独特で強く、アンモニアのような刺激臭が特徴です。適切な頻度でケージの掃除を行わないと、あっという間にケージ全体に臭いが充満し、それが部屋全体に広がることも珍しくありません。
また、ハムスター自身の体臭(特にオスは縄張りのマーキングのために臭腺を使うことがあります)や、頬袋にため込んだ餌の食べ残し、排泄物なども臭いの原因となります。定期的な掃除を怠ったり、床材を適切に管理しなかったりすると、来客時などに「何か臭うね」と言われてしまうのではないかと気になり、精神的な負担となることもあります。清潔な環境を保つ努力を怠ると、この「臭い」の問題は後悔の大きな要因となり得ます。
掃除や世話が意外と手間
「ハムスターは小さくて、世話が楽そう」というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、実際に飼ってみると、その認識が大きく覆されることが多いです。毎日の餌やりと水の交換はもちろんのこと、ハムスターの健康を保つためには、ケージの清潔さを維持することが非常に重要です。
ハムスターは決まった場所でおしっこをする習性があるため、その場所の床材は毎日交換し、取り除く必要があります。さらに、週に一度はケージ全体を徹底的に掃除し、使用済みの床材を全て交換し、ケージ本体や飼育用品を洗って清潔に保つ「大掃除」が必要です。これらの掃除作業は、思っている以上に時間と労力を要します。
加えて、ハムスターの健康状態を毎日チェックし、異常がないか観察する時間も必要です。仕事や学校、家事などで忙しい日々を送る中で、これらの定期的な世話が負担に感じられ、「こんなに大変だとは思わなかった」と後悔につながることがあります。
寿命が短い
ハムスターの平均寿命は、種類にもよりますが、ゴールデンハムスターで2~3年、ジャンガリアンハムスターやロボロフスキーハムスターで1.5~2.5年と、他の一般的なペットと比較して非常に短命です。
家族の一員として迎え入れ、愛情を注ぎ、日々の成長を見守る中で、飼い主とハムスターの間にはかけがえのない絆が育まれます。しかし、その絆が深まれば深まるほど、短い期間で訪れる別れは飼い主にとって非常に大きな悲しみとなります。
せっかく飼い主にも慣れて、触れ合いができるようになった矢先に病気になったり、老衰で亡くなってしまったりと、その短い命に寂しさや、もっと何かできたのではないかという後悔の念を抱く飼い主は少なくありません。ペットとの別れは避けられないものですが、ハムスターの場合はその時期が早く訪れることを覚悟しておく必要があります。
お金がかかる
ハムスターを飼い始めるためには、初期費用として様々な備品を揃える必要があります。最低限必要なものとして、ハムスターの種類や大きさに合ったケージ、回し車、給水器、餌入れ、巣箱、床材、そして専用の餌が挙げられます。
これらの初期費用だけでも、質の良いものを揃えようとすると数千円から数万円かかることがあります。さらに、毎月かかる費用として、餌代や床材代、おやつ代などが発生します。これらは年間で見ると意外と大きな金額になります。そして、最も予測が難しいのが医療費です。ハムスターは体が小さく、病気になった際の進行が早いため、少しでも異変を感じたらすぐに動物病院を受診する必要があります。
しかし、ハムスターを診察できる動物病院は限られており、専門的な知識を持つ獣医の診察料や薬代は、予想以上に高額になることもあります。これらの予期せぬ出費が重なり、経済的な負担を感じて後悔するケースも存在します。
脱走の危険とその捕獲ストレス
ハムスターは非常に体が小さく、柔軟な体を持つため、想像もしないような狭い隙間からでも簡単に脱走してしまう危険性があります。ケージの扉の僅かな隙間、扉の締め忘れ、破損したケージの網目、あるいは飼い主が目を離した隙に外に出てしまうなど、脱走の可能性は常に潜んでいます。
一度脱走してしまうと、ハムスターは家具の隙間、壁の裏、押し入れの奥など、人間には手が届きにくい場所に隠れてしまいます。捕獲にはかなりの時間と労力がかかり、時には数日間見つからないこともあります。
その間、ハムスターが飢えたり、思わぬ事故に巻き込まれたりしないかと、飼い主は非常に大きな精神的ストレスを感じることになります。また、脱走したハムスターが電気コードをかじったり、家具を傷つけたりする可能性もあり、家財への被害も懸念されます。この脱走と捕獲のストレスは、ハムスター飼育における大きな後悔の要因の一つとなり得ます。
旅行に行けない
旅行や出張などで数日間家を空ける際、ハムスターの世話は大きな課題となります。ハムスターは毎日新鮮な餌と水が必要なため、長期間放置することはできません。ペットホテルに預けるという選択肢もありますが、慣れない環境でのストレスから体調を崩してしまうハムスターもいますし、宿泊費用もかかります。
また、ハムスターを専門に扱うペットホテルは少なく、利用できる施設が限られていることもあります。友人や親戚に世話を頼むという手もありますが、ハムスターの飼育経験がない人にとっては、繊細な世話が難しく、万が一の事態があった際の責任問題も発生しかねません。
こうした世話の問題があるため、長期の旅行計画を立てるのが難しくなったり、気軽に外出できなくなったりと、自分の行動が制限されることに不自由さを感じ、「もっと自由に動けたのに」と後悔してしまうことがあります。
SNSのイメージと現実のギャップにショック
現代において、SNSは情報収集の重要なツールですが、その一方で、理想と現実のギャップを生み出す原因にもなり得ます。InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどでは、可愛らしくて人に慣れているハムスターの動画や写真が多数投稿されています。
それらを見て、「自分もあんな風にハムスターと触れ合いたい」「うちの子もこんなに可愛くなるはずだ」と期待を膨らませて飼い始める人は少なくありません。しかし、実際にハムスターを飼ってみると、想像していたよりも警戒心が強くなかなか懐かなかったり、夜間の騒音が気になったり、思っていた以上に手間がかかったり、独特の臭いが気になったりと、理想と現実の乖離に直面することがあります。
SNSで切り取られた「良い部分」だけを見て飼育を決めてしまうと、現実の厳しさに直面した際に大きなショックを受け、後悔につながるケースが非常に多く見られます。
なかなか登れないハムスターがかわいい pic.twitter.com/bdGrmgYLZc
— 癒される動物 (@cutest_animal1) May 20, 2025
「ハムスター飼わなきゃよかった」とならないために知っておきたいこと
・必要な飼育用品とその初期費用
・日々の世話にかかる時間と頻度
・どんな人にハムスターは向いているのか?
・ハムスターを飼わなきゃよかったと言う人の特徴
・初心者が選ぶべきハムスターの種類
・適切なケージとレイアウトの選び方
・ペットショップ・ブリーダーの選び方
・多頭飼いはできる?その注意点
・温度・湿度など環境管理の基礎
・家族全員の理解と協力が必要な理由
・ハムスターを飼わなきゃよかったと言う人が多い理由 まとめ
ハムスターの性格
ハムスターの魅力を最大限に引き出し、後悔なく飼育するためには、まず彼らの基本的な性格と行動パターンを深く理解することが不可欠です。ハムスターは、野生下では捕食される側の動物であるため、非常に臆病で警戒心が強いという特徴があります。
これは、初めて迎え入れた際に隠れたり、人が近づくと逃げたりする行動として現れます。無理に触ろうとすると、恐怖から噛みつくこともありますので、焦らず、時間をかけてゆっくりと信頼関係を築く姿勢が求められます。
また、前述の通り、ハムスターは夜行性です。昼間は基本的に寝て過ごし、夕方から夜にかけて活発に動き始めます。回し車で何時間も走り続けたり、巣材を運び込んで巣作りをしたり、餌を頬袋いっぱいに詰め込んで隠したりと、野生に近い行動パターンを頻繁に見せます。
これらの行動は、彼らが健康で幸せに暮らしている証拠でもあります。彼らの生活リズムを尊重し、昼間は静かに休ませ、夜間の活動を妨げないようにすることが、ストレスを与えない飼育の基本となります。彼らの自然な行動を観察することで、新たな発見や喜びを感じることもできるでしょう。
必要な飼育用品とその初期費用
ハムスターを健康で快適に飼育するためには、適切な飼育用品を事前に全て揃える必要があります。これらを計画的に準備することで、後になって「あれも必要だった」「これも買わなきゃ」と慌てることがなく、スムーズに飼育を始めることができます。
まず最も重要なのが、ハムスターの種類と大きさに合わせたケージです。ゴールデンハムスターなら最低でも幅60cm以上、ジャンガリアンハムスターなら幅40cm以上が推奨されます。ケージの種類には、通気性の良い金網タイプ、見やすい水槽タイプ、掃除がしやすいプラスチックタイプなどがあり、それぞれメリット・デメリットを考慮して選びましょう。

私のおすすめのケージはこちらです!
次に、ハムスターの運動不足解消に不可欠な回し車です。背骨に負担をかけないよう、ハムスターの体が真っ直ぐになるサイズの、音が静かなタイプを選ぶことが重要です。その他、自動給水器、餌入れ、ハムスターが落ち着ける巣箱(隠れ家)、吸水性・通気性に優れた床材、そして栄養バランスの取れたハムスター専用のペレットやシードミックスなどの餌が必要です。
これらを一通り揃えるための初期費用は、選ぶ商品のブランドや機能、材質によって大きく異なりますが、大まかに5,000円から20,000円程度を見ておくと良いでしょう。安価なセット品は使い勝手が悪かったり、ハムスターにとって不適切だったりする場合もあるので、安さだけで選ばず、品質や安全性を重視することが大切です。
上記はあくまで目安であり、選ぶ商品のブランドや機能、材質によって費用は大きく変動します。
日々の世話にかかる時間と頻度
ハムスターの世話は、毎日欠かさず行うべきルーティンワークがいくつかあります。「小さいから手がかからない」という思い込みは、後悔の原因となる典型的なパターンです。まず、毎朝、またはハムスターが活動し始める夕方に、新鮮な餌と水を交換することが基本です。
特に水は、雑菌が繁殖しやすいため、毎日新しいものに替えることが重要です。次に、ケージの清潔維持です。ハムスターは比較的きれい好きな動物で、決まった場所でおしっこをする習性があるため、そのおしっこが溜まる場所の床材は毎日取り除き、新しいものに交換する必要があります。これにより、臭いの発生を抑え、衛生的な環境を保てます。
さらに、週に1回はケージ全体を徹底的に掃除する「大掃除」が必要です。使用済みの床材を全て捨て、ケージ本体や回し車、巣箱などの飼育用品を洗浄し、乾燥させてから新しい床材を敷き詰めます。これらの作業を合わせると、1日あたり15分から30分程度、大掃除の日はさらに時間がかかると見積もっておきましょう。
加えて、ハムスターの食欲や行動、毛艶、排泄物の状態などを毎日観察し、健康状態に異変がないかをチェックする時間も大切です。これらの地道な作業を継続できるかどうかが、後悔しない飼育の鍵となります。
どんな人にハムスターは向いているのか?
ハムスターは、その特性から、特定のライフスタイルや性格を持つ人により適していると言えます。まず、彼らが夜行性であることを理解し、夜間の活動音を許容できる人や、自分自身が夜型の生活を送っている人には向いています。
昼間に家を空けていても、夜にハムスターの活動を観察できるため、生活リズムが合いやすいでしょう。また、ハムスターは犬や猫のように、積極的に飼い主と遊んだり甘えたりすることは少ないため、動物との深い触れ合いよりも、彼らの自然な生態を観察することに喜びを感じる人に適しています。
彼らが餌を頬張る姿、回し車で懸命に走る姿、床材をせっせと運び込む姿など、彼らの可愛らしい行動をそっと見守ることに幸福感を見出せる人には、ハムスターは最高のパートナーとなるでしょう。さらに、毎日の餌やりや水交換、週に一度の大掃除など、地道で細やかな世話を継続できる几帳面な人にも向いています。
そして何よりも、彼らの短い寿命を受け入れ、その限られた時間を最大限に幸せにする覚悟がある人に、ハムスターは最適なペットと言えるでしょう。アレルギー体質でないことも、飼育を始める前に確認しておくべき重要な点です。
ハムスターを飼わなきゃよかったと言う人の特徴
「ハムスター飼わなきゃよかった」と後悔する人には、いくつかの共通の特徴が見られます。多くの場合、彼らはハムスターの愛らしい見た目や、SNSで見る手乗りの姿に魅了され、衝動的に飼育を始める傾向があります。
しかし、ハムスターが夜行性で夜間に活発に活動し、回し車やケージを齧る音が響くこと、また犬猫のように飼い主と密接に触れ合ったり、懐いたりするとは限らないという現実を、飼い始めるまで知りません。
また、彼らはハムスター特有の排泄物の臭いや、毎日の部分的な掃除と週ごとの大掃除が不可欠な世話の手間を過小評価しがちです。音や臭いに敏感な人、あるいは毎日の地道な世話を継続するのが苦手な人にとっては、これらの要因がストレスとなり、後悔につながります。
さらに、ハムスターの平均寿命がわずか2~3年と短く、すぐに別れが訪れることへの心の準備ができていない人や、初期費用だけでなく、餌代や予期せぬ高額な医療費といった経済的な負担を考慮しない人も、後になって「こんなはずじゃなかった」と感じることが多いでしょう。このように、事前の情報収集を怠り、理想と現実のギャップに直面する人が、ハムスター飼育に後悔する主な特徴と言えます。

そうなるのを防ぐため、ハムスターのためにも、必ず本などで知識をつけてから飼育を始めるようにしてください!!
初心者が選ぶべきハムスターの種類
ハムスターを初めて飼育する方が後悔しないためには、飼いやすさや性格の傾向を考慮して種類を選ぶことが非常に重要です。一般的に、ゴールデンハムスターは初心者におすすめの種類とされています。彼らは体が大きく、比較的穏やかで人にも慣れやすい傾向があります。個体差はありますが、焦らず接すれば手乗りになることも多く、初心者でも比較的触れ合いやすいでしょう。
ただし、縄張り意識が強いため、多頭飼いは基本的に不来です。次に人気があるのがジャンガリアンハムスターです。体が小さく、ケージのスペースもゴールデンハムスターほど必要としないため、飼いやすいと思われがちです。
しかし、ゴールデンハムスターに比べて臆病な個体が多く、人に慣れるまでに時間がかかったり、警戒心が強くてなかなか触らせてくれなかったりするケースもあります。ハムスターとの触れ合いを重視するなら、少し時間をかけてでもゴールデンハムスターを選ぶのが良いかもしれません。
また、ロボロフスキーハムスターは、ハムスターの中で最も小さく、非常に素早い動きが特徴です。触れ合うのは非常に難しいため、基本的には観賞用として飼育するのが向いています。初めてハムスターを飼う場合は、これらの特性を理解した上で、自分自身のライフスタイルや求める触れ合いのレベルに合った種類を選ぶことが、後悔しないための第一歩です。
適切なケージとレイアウトの選び方
ハムスターにとって、ケージは彼らの生活の全てを左右する「家」そのものです。適切なケージを選ぶことは、ハムスターの健康と幸福に直結し、飼い主の後悔を減らす上でも非常に重要です。まず、最も重視すべきは広さです。
ハムスターは非常に活動的な動物であり、狭いケージでは運動不足やストレスの原因となります。ゴールデンハムスターであれば最低でも幅60cm×奥行き40cm以上、ジャンガリアンハムスターでも幅40cm×奥行き30cm以上の広さがあるケージが推奨されます。
次に種類ですが、金網ケージ、水槽ケージ、プラスチックケージなどがあります。金網ケージは通気性が良い反面、脱走のリスクや金網を齧る音の問題があります。水槽ケージは通気性が劣るものの、脱走しにくく、ハムスターの観察がしやすいというメリットがあります。
プラスチックケージは軽量で扱いやすいですが、通気性や耐久性を確認する必要があります。そして、ケージ内のレイアウトも重要です。回し車はハムスターの背骨に負担がかからない、十分な直径(ゴールデンで17cm以上、ジャンガリアンで12cm以上)の、静音設計のものが理想です。
給水器、餌入れ、そしてハムスターが安心して眠ったり隠れたりできる巣箱(複数あるとより良い)も必ず設置しましょう。さらに、床材をたっぷりと敷き詰めることで、ハムスターが穴を掘る習性を満たし、ストレスなく過ごせる環境を整えることができます。
適切なケージとレイアウトは、ハムスターが快適に暮らし、飼い主も安心して見守れるための基盤となるのです。
ペットショップ・ブリーダーの選び方
新しい家族となるハムスターをどこから迎え入れるかは、その後の飼育生活を大きく左右する重要な選択です。健康で人によく慣れたハムスターを迎えるためには、信頼できるペットショップやブリーダーを選ぶことが不可欠です。まず、ペットショップを選ぶ際は、以下の点に注目しましょう。
1. 清潔さ: ケージや展示スペースが清潔に保たれているか。排泄物や餌の食べ残しが放置されていないかを確認します。
2. ハムスターの状態: 迎える予定のハムスターだけでなく、他のハムスターたちも元気で、目ヤニや鼻水、毛並みの乱れがないか、異常な動きをしていないかを観察します。
3. 店員の知識と対応: ハムスターに関する専門知識が豊富で、飼育方法や注意点について質問に丁寧に答えてくれるか。無理に購入を勧めたりしないか。
4. 適切な飼育環境: ケージの広さや回し車のサイズなど、店内の飼育環境が適切かを確認します。
次に、ブリーダーから迎え入れる場合です。ブリーダーは、特定の種類のハムスターに特化していることが多く、親ハムスターの遺伝情報や性格を把握しているため、より詳細な情報を得られるメリットがあります。
1. 親ハムスターの情報: 親ハムスターの健康状態、性格、血統などを教えてもらえるか。可能であれば見学させてもらいましょう。
2. 飼育環境: ブリーダー宅での飼育環境が清潔で衛生的か、ストレスなく過ごせる環境が整っているかを確認します。
3. アフターフォロー: 迎え入れた後の相談に乗ってくれるなど、丁寧なアフターフォローがあるか。
どちらの場合も、衝動買いは避け、複数の店舗やブリーダーを比較検討し、納得した上で迎え入れることが、後悔しないための賢明な選択と言えるでしょう。
多頭飼いはできる?その注意点
「ハムスター同士で遊ぶ姿を見たい」「寂しい思いをさせたくない」という理由から、多頭飼いを検討する飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、結論から言うと、ハムスターの多頭飼いは基本的に推奨されません。特に、ゴールデンハムスターは非常に縄張り意識が強く、単独で生活する動物です。
複数で飼育すると、激しい喧嘩になり、相手に重傷を負わせたり、最悪の場合、命を落とすこともあります。種類によっては、例外的に多頭飼いが可能なケースもありますが、それでも細心の注意が必要です。
例えば、ジャンガリアンハムスターやロボロフスキーハムスターの一部では、幼い頃から一緒に育った兄弟姉妹や、相性の良い個体同士であれば、多頭飼いが可能な場合もあります。
しかし、それでも急に喧嘩を始めることがあるため、常に観察を怠らず、喧嘩が始まった際にはすぐに別々のケージに分けられるよう、複数のケージを準備しておくことが必須です。また、多頭飼いをする場合でも、ケージの広さを十分確保し、それぞれのハムスターが安心して過ごせるように、複数の巣箱や隠れ家、回し車などを配置することが重要です。
安易な気持ちで多頭飼いを始めると、取り返しのつかない事態になる可能性が高いことを十分に理解し、基本的には一匹ずつ大切に飼育することを強くおすすめします。
温度・湿度など環境管理の基礎
ハムスターは非常にデリケートな動物であり、温度と湿度の管理は彼らの健康と命に直結します。
不適切な環境は、ハムスターに大きなストレスを与え、病気の原因となったり、最悪の場合は命を落としてしまうこともあります。
ハムスターが快適に過ごせる理想的な温度は20℃~26℃、湿度は40%~60%とされています。 夏場は、室温が上がりすぎると熱中症になる危険性があります。エアコンを適切に利用し、室温を上記の範囲に保つように心がけましょう。
ただし、エアコンの風が直接ケージに当たると、体が冷えすぎてしまうため、風が当たらない場所にケージを設置するか、風よけを設ける工夫が必要です。また、ケージを直射日光が当たる場所に置くのは絶対に避けましょう。
冬場は、室温が下がりすぎると低体温症になり、擬冬眠状態(冬眠に似た状態だが、飼育下のハムスターにとっては危険な状態)に陥る危険性があります。ペット用のパネルヒーターやヒーター、ヒーター内蔵の巣箱などを活用して、ケージ内を適切な温度に保つようにしましょう。特に夜間や、留守にする際は、温度が極端に下がらないよう注意が必要です。
湿度が低いと皮膚が乾燥したり、呼吸器系のトラブルを起こしやすくなります。逆に湿度が高すぎると、カビやダニが繁殖しやすくなり、皮膚病や呼吸器系の病気を引き起こす可能性があります。必要に応じて加湿器や除湿器を使用し、常に安定した温度と湿度を保つことが、ハムスターの健康維持には不可欠なのです。
家族全員の理解と協力が必要な理由
ハムスターを飼うことは、単に一匹の小さな命を迎えるだけでなく、家族全員の生活に少なからず影響を与える出来事です。
そのため、後悔のない飼育生活を送るためには、飼い始める前に家族全員の理解と協力を得ることが何よりも重要になります。例えば、ハムスターの夜行性による活動音は、寝室にケージを置いている場合はもちろんのこと、リビングなど共有スペースに置いていても、音に敏感な家族にとっては睡眠の妨げとなる可能性があります。
また、ハムスター特有の臭いは、清掃を怠ると部屋全体に広がり、家族の不快感につながることもあります。さらに、家族の中にハムスターアレルギーの人がいる可能性も考慮しなければなりません。
これらの問題は、事前に話し合い、対策を講じておくことで、後々のトラブルを避けることができます。 毎日の餌やりや水交換、週ごとの大掃除といった世話の分担も、家族の協力があれば負担が軽減されます。旅行や出張で家を空ける際には、誰がハムスターの世話をするのか、事前に決めておく必要があります。
また、万が一ハムスターが病気になったり、脱走してしまったりした際にも、家族が一致団結して対応することで、スムーズに解決できる可能性が高まります。家族全員がハムスターを「家族の一員」として認め、愛情を持って接し、責任を分かち合うことで、飼い主一人の負担が軽減され、ハムスターにとっても安心できる環境が生まれるのです。
反対に、家族の誰かが反対していたり、飼育に非協力的だったりすると、飼い主は精神的にも肉体的にも疲弊し、結果として「飼わなきゃよかった」と後悔してしまうことにつながりかねません。
ハムスターを飼わなきゃよかったと言う人が多い理由 まとめ
「ハムスター飼わなきゃよかった」と後悔する人が多い背景には、飼育前に抱いていた理想と現実のギャップが大きく影響しています。SNSなどで見かける可愛らしい姿や、「小さいから手がかからない」という誤ったイメージが先行し、彼らの本来の生態や、実際に飼育する上で発生する手間、費用、そしてデリケートな性質を十分に理解しないまま飼い始めるケースが少なくありません。
具体的な後悔の要因としては、まず夜行性であることによる騒音問題が挙げられます。夜中に回し車を回す音やケージを齧る音が睡眠を妨げ、ストレスとなることは非常に多いです。
次に、犬や猫のように積極的に触れ合うことが難しい懐かない性格に、期待外れを感じる飼い主も少なくありません。また、意外と強い排泄物の臭いや、毎日の部分掃除と週ごとの大掃除が不可欠な想像以上の世話の手間も、後悔の原因となりがちです。
そして、何よりも平均寿命が2~3年と非常に短いため、せっかく愛情を注ぎ、慣れてきた頃に訪れる別れが大きな悲しみと後悔を残すことも多々あります。さらに、初期費用だけでなく、餌代や床材代といったランニングコスト、そして予期せぬ医療費がかかること、僅かな隙間からでも脱走する危険性と、その捕獲にかかる精神的ストレス、家族との騒音による摩擦、旅行や出張時に世話をどうするかの身動きの取れない問題なども、後悔の理由として挙げられます。
しかし、これらの後悔は、決してハムスターの飼育が悪いということではありません。むしろ、飼い主が事前にハムスターの生態や習性、必要な飼育環境、そして飼育に伴う責任と現実的な手間を深く理解し、覚悟を持って迎え入れることで、十分に回避できる問題ばかりです。
ハムスターは、彼らの小さな体の中に、野性味溢れる行動や、時に見せる愛らしい仕草、そして健気に生きる姿を秘めています。彼らの夜の活動を温かく見守り、適切な環境を整え、清潔を保ち、もしもの時には医療を受けさせる責任を果たすこと。
そして、短い命だからこそ、その生を最大限に輝かせてあげるという強い意志を持つことが、後悔のない、充実したハムスターライフを送るための鍵となります。
ハムスターは、飼い主の努力と愛情に応えてくれる、かけがえのないパートナーとなり得る動物です。彼らを迎える前に、この記事に書かれていることをじっくりと読み込み、本当に自分にハムスターを飼う準備ができているのか、ご家族ともよく相談し、熟考してみてください。
関連記事はこちらから!!



コメント