セキセイインコを家族として迎え入れた時、多くの飼い主さんが気になるのが「この子の性別はどちらだろう?」ということですよね。
特に、将来的に複数羽を飼いたいと考えている場合や、繁殖を視野に入れている場合は、性別を正確に把握しておくことが非常に重要になります。
しかし、セキセイインコの性別判断は、実はヒナのうちはなかなか難しいもの。
成長とともに変化するろう膜(鼻の穴の周りにある部分)の色や質感、そして行動の変化に注目することで、その秘密が少しずつ明らかになっていきます。

この記事では、セキセイインコの性別を見分ける最適な時期と、それぞれの月齢で見られる具体的な変化、そして見分けるための詳しいポイントを徹底解説します。
セキセイインコの性別はいつ頃わかる?
セキセイインコの性別の判断の仕方
セキセイインコの性別を見分けるための最も確実な方法は、鳥の鼻の穴の周りにあるろう膜の色と質感をじっくりと観察することです。
このろう膜の色は、成長段階や品種によって大きく異なるため、一概に「この色だからオス、この色だからメス」と言い切れるものではありません。しかし、一般的な傾向を理解し、注意深く観察を続けることで、その子の性別を推測できるようになります。
一般的に、成鳥になったセキセイインコのオスはろう膜が青色をしています。
オス
一方、メスのろう膜はピンクや白色をしていることが多く、特に発情期が近づくと、その表面がザラザラとしたり、ゴツゴツとしたりすることがあります。
メス
このろう膜の色や質感の変化は、性別を判断する上で非常に重要な指標となります。
ヒナの段階では、オスもメスもろう膜の色は淡いピンク色や白色をしているため、この時期に性別を判断するのは非常に困難です。焦らず、成長を見守ることが大切です。生後2ヶ月頃から徐々に性別の特徴がろう膜に現れ始め、生後6ヶ月以降の成鳥になると、その特徴はより明確になり、判断がしやすくなります。
また、セキセイインコには様々な品種が存在し、中にはろう膜の色が一般的な基準とは異なるケースもあります。例えば、ルチノーやアルビノといった特定の品種のオスは、ろう膜が青くならず、ピンク色や白色のままの場合があります。このような場合、ろう膜の色だけで判断するのは非常に難しくなります。
セキセイインコの性別はいつ頃わかるのか?
セキセイインコの性別は、生後2ヶ月頃からその兆候が現れ始め、生後6ヶ月以降の成鳥になるとより明確に判断できるようになります。
性別を見分ける主なポイントは、鳥の鼻の穴の周りにあるろう膜の色と質感です。一般的な傾向として、成鳥のオスはろう膜が鮮やかな青色になるのに対し、メスはピンクや白色に変化し、発情期には表面がゴツゴツとすることも多いです。
ただし、ルチノーやアルビノといった特定の品種のオスは、成長してもろう膜が青くならず、ピンク色や白色のままの場合があるため注意が必要です。ろう膜の色だけでは判断が難しい時には、オスはよくおしゃべりをしたり歌を歌ったり、メスは巣作り行動に興味を示すといった行動や鳴き声も参考にできます。しかし、これらには個体差があるため、あくまで補助的な情報として捉えましょう。
生後0〜3週:見分けがつきにくい時期
セキセイインコが生まれたばかりの生後0〜3週は、まだ体が小さく、羽毛も生え揃っていません。ろう膜の色も非常に淡く、オスもメスもほとんど区別がつかない淡いピンク色や白色をしています。
この時期に無理に性別を判断しようとしても、誤った情報になってしまう可能性が高いため、焦らず成長を見守る期間と捉えましょう。
生後4週〜2ヶ月:ろう膜の色に注目
生後4週を過ぎ、ヒナから少しずつ成長していくこの時期になると、ろう膜の色に変化が見られるようになります。これが、性別を見分ける上での最初のサインとなることが多いです。
この時期のオスは、ろう膜が徐々に淡い青色を帯びてくる傾向があります。中には、品種によってはピンク色が少し濃くなる個体もいます。
メスのろう膜は、この時期も引き続き白色や非常に薄い水色のままであることが多いです。よく見ると、鼻の穴の周りが白く縁取られているように見えることもあります。
この時期はまだ色の変化が確実ではなく、個体差も大きいため、毎日注意深く観察を続けることが重要です。光の当たり方によっても色の見え方が変わることがあるので、様々な角度から見てみましょう。
生後2ヶ月の風ちゃん
目がウルウルで可愛すぎません?❤️#セキセイインコ pic.twitter.com/XNaD0hj8t8— ビッケ (@gudemama_raifu) October 1, 2021
生後2〜6ヶ月:オス・メスの違いが明確に
生後2ヶ月を過ぎ、体がさらに成長してくるこの時期になると、ろう膜の色はよりはっきりと、オスとメスの違いが明確に現れてきます。
ろう膜はより鮮やかな青色へと変化していきます。ノーマルなどの品種では、美しいスカイブルーやコバルトブルーになることが多いです。一部の品種では、濃いピンク色や紫色に見えることもあります。ろう膜の表面は滑らかで光沢があります。
メスのろう膜は、ピンク、白色、または薄い水色で、その色もよりはっきりとしてきます。特に、発情期が近づくと、ろう膜の表面が乾燥してザラザラとしたり、ゴツゴツとしたりする特徴的な変化が見られることがあります。
この頃には、多くのセキセイインコで性別の判断がしやすくなりますが、個体によってはまだ色の変化がゆっくりな場合もあるため、慌てずに観察を続けましょう。
成鳥(6ヶ月以降):性差がはっきり見える
生後6ヶ月を過ぎ、完全に成長した成鳥になると、セキセイインコの性差はろう膜に最もはっきりと現れます。この時期のろう膜の色と質感は、性別を判断する上で最も確実な指標となります。
成鳥のオスのろう膜は、品種にもよりますが、深く濃い青色(ノーマル、コバルト、バイオレットなど)をしているのが一般的です。

ルチノーやアルビノなどの品種では、光沢のある濃いピンク色や紫色に見えることもあります。ろう膜の表面は常に滑らかで、ツヤがあります。
成鳥のメスのろう膜は、通常、白色またはピンクに変化します。

発情期には特に色が濃くなり、表面が乾燥して硬く、ゴツゴツとした状態になります。発情期ではない時には、再び白色や薄い水色に戻ることもありますが、その質感はオスの滑らかなろう膜とは異なります。
品種によって判断の難しさが変わる
セキセイインコには多種多様な品種が存在し、その遺伝的な特性によってろう膜の色の出方が一般的な基準と異なる場合があります。このため、品種によってはろう膜だけでの性別判断が非常に難しくなることがあります。
特に注意が必要な品種は、ルチノー(全身が鮮やかな黄色で目が赤い)、アルビノ(全身が純白で目が赤い)、そして特定のパイド(模様の入り方が不規則で、ろう膜の周りに色の抜けた部分がある)などです。
これらの品種のオスは、一般的なオスの特徴である青いろう膜を持たず、成長してもピンク色や白色のままの場合が多いです。
このような品種の性別を見分けるには、ろう膜の色だけに頼るのではなく、次に解説する行動や鳴き声といった他の特徴と合わせて総合的に判断することが不可欠です。また、専門知識を持つブリーダーや獣医さんの意見を参考にすることも非常に有効です。
ろう膜以外の特徴(行動・声)での判断法
ろう膜の色や質感は性別判断の主要な手がかりですが、セキセイインコの行動や鳴き声にも性差が現れることがあります。これらは個体差があるため、ろう膜の色と合わせて総合的に判断する補助的な情報として活用しましょう。
オスは一般的に、非常に活発でおしゃべり好きな傾向があります。単語を覚えたり、人間の言葉を真似たりするのもオスの方が得意だと言われています。また、歌を歌うように複雑なさえずりをしたり、メスに求愛する際に頭を振ってダンスのような行動を見せたりすることも多いです。好奇心旺盛で、新しいおもちゃに興味を示したり、飼い主さんによく懐いて甘えたりする傾向もあります。
メスはオスに比べて、おしゃべりは比較的控えめですが、返事をするように鳴いたり、特定の音に反応して鳴いたりすることがあります。特徴的な行動としては、巣作り行動に強い興味を示す点が挙げられます。例えば、ケージの隅をかじったり、紙などを細かくちぎって巣材に見立てたりする行動が見られることがあります。オスに比べて気が強い個体が多く、縄張り意識も強い傾向があります。
これらの行動や声の傾向はあくまで一般的なものであり、全ての個体に当てはまるわけではありません。例えば、おしゃべり好きなメスや、控えめなオスも存在します。そのため、これらの特徴だけで性別を断定せず、ろう膜の色と合わせて判断することが重要です。
セキセイインコの性別クイズ
この子の性別は???
答えは、、、
男の子です!
この子の性別は?
答えは、、、
女の子です!
このようにして成長したインコはある程度、性別の判断ができます。しかし、インコによって個体差もあり、かなり曖昧な時もあるということは理解しておきましょう。
セキセイインコの性別はいつ頃わかる? 正確に見分けるための注意点と対策
セキセイインコの性別判断は、時に複雑で間違いやすい側面も持ち合わせています。特に、誤った性別判断をしてしまうと、将来的なペア飼育において予期せぬトラブルに発展する可能性もあります。ここでは、性別を正確に見分けるための注意点と、もし判断に迷った場合の対策について詳しく解説します。
間違いやすい品種の特徴(ルチノー、アルビノなど)
前述したように、セキセイインコの中には、一般的な性別判断基準であるろう膜の色が当てはまらない品種が存在します。特に、ルチノー(全身が黄色で目が赤い)、アルビノ(全身が純白で目が赤い)、そして特定のパイド(体の一部に色の抜けた部分があり、ろう膜の周りも白色になることがある)などの品種は、注意が必要です。
これらの品種のオスは、通常オスに多く見られる鮮やかな青色のろう膜を持つことは少なく、成長してもろう膜がピンク色や白色のままのことが多いです。そのため、ろう膜の色だけを見てしまうと、オスなのにメスだと誤って判断してしまうリスクが高まります。このような場合は、ろう膜の色以外の特徴(行動パターンや鳴き声など)をより注意深く観察し、総合的に判断することが求められます。経験豊富なセキセイインコ飼育者やブリーダーの意見を聞くことも非常に役立ちます。
発情期によるろう膜の変化に注意
メスのセキセイインコのろう膜は、発情期になるとその色や質感が大きく変化します。通常、発情期にはろう膜が茶色くゴツゴツとした状態になりますが、発情期が過ぎると、再び白色や薄い水色に戻ることがあります。
この一時的な色の変化を知らないと、「ろう膜が白くなったからオスだ」「茶色いからメスだ」と短絡的に判断してしまい、誤った性別認識をしてしまう可能性があります。正確な性別判断のためには、ろう膜の色や質感の変化を継続的に観察することが重要です。数日や数週間の観察だけではなく、数ヶ月にわたってろう膜の状態を見守ることで、その子の本来の性別をより正確に把握できるでしょう。
専門家による診断やDNA検査の活用
「どうしても性別が分からない」「絶対に正確な性別を知りたい」という場合は、専門家の力を借りるのが最も確実な方法です。
鳥の専門知識を持つ獣医さんや、鳥の飼育経験が豊富なペットショップのスタッフであれば、セキセイインコの性別を高い精度で判断してくれます。彼らは、様々な品種や個体のろう膜の変化を知り尽くしており、必要に応じて触診なども行うことがあります。
最も確実な性別判断方法として、DNA検査が挙げられます。これは、セキセイインコの羽根を数本採取し、専門の検査機関に送ることで、遺伝子レベルで性別を特定する方法です。費用はかかりますが、100%に近い精度で性別を判定できるため、繁殖を考えている場合や、複数の鳥を飼育する上で確実に性別を把握したい場合に特に有効です。
誤判断によるペア飼育トラブルのリスク
セキセイインコの性別を誤って判断し、同性同士をペアとして飼育してしまうと、様々なトラブルが発生するリスクがあります。
特に、メス同士の場合、気が強く縄張り意識が高い個体も多いため、相性が悪いと激しいケンカに発展し、怪我を負ってしまうことがあります。また、オス同士でも、個体によっては相性が悪く、争いになるケースもゼロではありません。
相性の悪い鳥同士を一緒に飼育することで、一方または両方の鳥に大きなストレスがかかり、食欲不振や羽むしり、病気など、体調を崩してしまう原因となることがあります。
異性のペアだと思っていても実際は同性だった場合、当然ながら繁殖は起こりません。飼い主さんが繁殖を期待している場合、その期待が裏切られるだけでなく、鳥たちにも無用なストレスを与えてしまうことになります。
オスとメスの性格差を理解しよう
セキセイインコには、一般的にオスとメスで異なる性格の傾向が見られます。これらの性格差を理解しておくことで、より適切な接し方や飼育環境を整えることができます。
活発で好奇心旺盛な個体が多く、おしゃべり好きで人懐っこい傾向があります。新しいおもちゃや遊びに興味を示しやすく、飼い主さんとのコミュニケーションを積極的に求めることが多いです。言葉を教えるのに適していると言われるのもオスの方が多いです。
・メス
比較的落ち着いており、オスほどおしゃべりをしない傾向があります。オスよりも気が強い個体が多く、自分のテリトリーを守ろうとする意識が強いこともあります。巣作り行動に強い関心を示すことが特徴で、ケージの隅をかじったり、紙などを細かくちぎったりする行動が見られます。
もちろん、これらはあくまで一般的な傾向であり、個体によって性格は大きく異なります。おしゃべり好きなメスや、おとなしいオスも存在します。性別を理解した上で、目の前のセキセイインコそれぞれの個性に合わせて接してあげることが、良好な関係を築くための鍵となります。
性別を見極めた上での飼育ポイント
性別がはっきりと分かったら、その性別に合わせた飼育ポイントを押さえることで、よりセキセイインコが快適に、そして健康に暮らせる環境を整えることができます。
遊び好きなオスにとっては、ケージの中に様々なおもちゃや止まり木の種類を豊富に用意してあげると喜びます。特に、揺れるおもちゃや音が出るおもちゃは人気です。言葉を覚えさせたい場合は、積極的に話しかけ、オスが話しやすい環境を作ってあげましょう。
・メスを飼育する場合
メスは発情期に卵を産む可能性があるため、卵詰まりなどのリスクを考慮した飼育が重要になります。発情の兆候(ろう膜が茶色くゴツゴツする、巣作り行動をするなど)が見られたら、過発情を防ぐために日照時間を管理したり、高カロリーな食事を制限したりするなどの対策を検討しましょう。また、巣箱などを設置すると発情を促してしまうことがあるため、注意が必要です。
性別を理解することで、セキセイインコがより健康で幸せな生活を送れるよう、飼い主さんがサポートしてあげることができます。
セキセイインコの性別はいつ頃わかる? まとめ
セキセイインコの性別は、生まれたばかりのヒナのうちは見分けがつきにくいものの、生後2ヶ月頃からろう膜の色に変化が見られ始め、生後6ヶ月以降の成鳥になると最も明確に判断できるようになります。特に、オスのろう膜が鮮やかな青色に、メスのろう膜が茶色や白色に変化する点が重要な判断基準です。
ただし、ルチノーやアルビノといった特定の品種では、オスのろう膜も青くならない場合があるため、ろう膜の色だけでは判断が難しいことがあります。また、メスの発情期によるろう膜の一時的な変化にも注意が必要です。
性別判断に迷った場合は、ろう膜以外の特徴である行動パターンや鳴き声も参考にし、それでも確信が持てない場合は、獣医さんや鳥専門のペットショップへの相談、あるいはDNA検査の活用が最も確実な方法です。
正確な性別把握は、セキセイインコを複数羽飼育する上でのトラブル(ケンカやストレスなど)を未然に防ぐために非常に重要です。性別を理解することで、それぞれの個性や行動に合わせた適切な飼育環境を整えることができ、大切なセキセイインコとのより深く、豊かな絆を築くことができるでしょう。
あなたのセキセイインコは、どんな個性を持っていますか? 性別が分かったら、ぜひその子にぴったりの接し方を見つけてあげてくださいね。


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